(don't get any) Big Ideas

音楽周りのあれこれかれこれ

2020年に振り返るあべのAlbum of the Year 2017

はろーべいべーあべです。そろそろ上半期ベストの時期ですね。今やTwitter音楽界隈の初夏と年末の風物詩となった#AOTYですが、ああでもないこうでもないと頭を悩ませるのが楽しいこの遊びに初めて参加したのは2017年。まだライターを始める前でした。

 

さて、Twitterでインスタントなリアクションをもらえるのがとても面白いこの試みなのですが、如何せんTwitterだと残らずに流れていってしまう。ブログとかnoteと並行するのがベストでしょう。そこで今回このブログに移行することとしました。

 

しかし、ただコピペするだけでは面白くない。なので2020年の今、振り返って思うことを追記してみました。まあ「2020年に振り返る」とか言ったものの、批評的に検討するなら5年後10年後がベターだろうし、今回は移行ついでの思い出の振り返りと、自己添削がメインの雑感です。だらだら書いてくのでまあよかったら。今回は2017年のアルバム25+2枚です。

 

一応「AOTYはどう出すのがベターか?」とか「ランキング哲学」みたいなものも交えられたらなと思ったり。とりあえず2017年上半期に画像だけでやったものの、「コメント入れないとおもんないな」と思って(僕がやるぶんにはね)、連続ツイートでコメントを紐づけたのが2017年末でした。

 

ある程度しっかり書けるし、紐づけるたびにインプレッションをもらえるので、おそらくこの方法はベストに近いでしょう。ただ僕としては極力1ツイートで完結させたい人間なので、以降この方法はとっていません。あと25枚にコメントを入れるのはわりとしんどい(だからこそ50とか100とかちゃんとコメント入れる人は敬服いたします)。そんな感じでしょうか。

 

2017年のコメントは誤字脱字とちょっとした表記以外触らないので、僕としても当時何を言っていたのかソワソワしてます。では、特別枠の2枚からどうぞ。

 

 

Album of the Year 2017 25〜21位+特別枠2枚 

特別枠① Either / Or (expanded edition) / Elliott Smith

Elliott Smithの最高傑作20周年盤。リマスターされた本編もさることながら、特筆すべきは未発表音源。まだこんな名曲があるのか。全部出してよという気持ちと、いつまでも小出しにしててよという気持ちがあるけど、いずれにせよエリオットはずっと僕らの心の中に。(2017)

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“I Figured You Out”は本当に名曲。今年は『Elliott Smith』の25周年盤も控えてるし、亡くなってからもいつまでもワクワクしながら待てるって、本当に贅沢なことですよね。エリオットに関してはライターとして何かしたいとずっと思ってるし(手始めにこのブログで何か書こうかな)、これからも一緒に生きていくことでしょう。(2020)

 

 

特別枠② OK Computer OKNOTOK 1997 2017 / Radiohead

こちらもまた20周年盤(97年はとんでもない年だな…)。リリース発表から色々葛藤はあったけど、やっぱりついに解禁した未発表3曲はめちゃくちゃ興奮したなあ。去年の『A Moon Shaped Pool』と今年の『OKNOTOK』でひとつキャリアの総括となった彼らの次に向かう先はどこなのか。来年も目が離せないな。(2017)

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からのサスペリア!ジョニーのサントラ!ANIMA!エドのソロ!ですよ。キャリアの総括みたいな話はサマソニ16の頃から何度か書いてたんですが、この間インタビューで似たようなことが語られててちょっとニヤッとしましたね。一時は「解散しても不思議ではないな」と思っていたんですが、頓挫したものの来年のツアーも計画されていた様で、まだまだ彼らは僕の道標であり続ける様です。そういえば噂されてた『Kid A』『Amnesiac』の20周年企画はあるんですかね?(2020)

 

 

25. Antisocialites / Alvvays

駆け込みでこの前聴き始めたのだけど近頃リピートしまくってる。今までちゃんと聴いてこなかった自分を殴りたいくらいすべてがどストライク。小気味いいメロディに程よくシューゲ風なサウンドに… 過去作も漁ろうそうしよう。(2017)

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このあとよく行くロックDJイベントのGROOVERでも定番の“Archie, Marry Me”に出会ったりして、どっぷりハマったんですよね。あと同居人の部屋から異様な頻度で“Dreams Tonite”が流れてくるのもあって、あまり懐かしい感じがしない。近頃は最低10周はしたものしか候補にしないんですが、5年振りに同居人達とフジロックに行って音楽熱が本格的に再燃した年だったので、25枚選ぶのにも苦労してる印象です(笑)。Alvvaysはフジロックも単独も見逃してしまったので、またいつかライブも観てみたいです。(2020)

 

 

24. The Day We Had / Day Wave
結局のところ僕らは寝ても覚めてもインディーロックキッズなのでいつだってこんな風に素直で明快なサウンドを探してるし、こんなものを聴かされた日には頬を緩めずにはいられない。次作以降どうなっていくのかとても楽しみ。単独来日も待ってる!(2017)

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めっちゃエモい書き方してんな(笑)。スーパーカーやSam Fenderにも通じる、このインディーロックの無敵な感じが本当に好きなんですよね。フジでサインをもらってるところをホステス公式にすっぱ抜かれたのもいい思い出です。あんま活動しないんかなと思ってたところの4月の新作も嬉しかったですね。また観たいものです。(2020)

 

 

23. Somersault / Beach Fossils
何を聴くか迷うような時によく聴いていたので、ある意味でElliott Smith枠かもしれない。ポップさと気怠さのバランスが絶妙で、どんな気分にも寄り添うこのアルバムに今年はずいぶん助けられたと思う。(2017)

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僕には毎年「何を聴くか迷うような時によく聴いていた」枠があるんですよ。基本的にはFour TetとかJon Hopkinsみたいなエレクトロが多いんですが、インディーロックがこうなるのは珍しくて、本当にエリオット枠だなと思います。DYGLとの2マンもUK(日本)・USインディーの共演って感じですごく楽しかったですね。ああいうコンセプトが光る企画ライブはめっちゃ好きです。(2020)

 

 

22. Everybody Works / Jay Som
今年は女性ボーカルが輝いていた年だったけど、彼女もその1人。今風で綺麗なサウンドスケープの中に、スマパンとかそこら辺のオルタナグランジ感がどことなく漂っていて、ここら辺に郷愁を感じてしまう僕としては感涙もの。ずっとリピートしちゃう。(2017)

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次作も大好きなJay Som。今ならもっと上位でしょうね。当時から薄々思ってたんですが、もう女性SSWとかガールズバンドって部分をあえて特筆する意味はないよなって思います。それどころか旧来的な言説を強化してしまうし気をつけなきゃあかんポイントです。急遽ドラムレス編成になった来日公演もめっちゃ楽しかったし、“But I like the Bus!”できたのもいい思い出。彼女はまだまだでかくなっていくはずだし期待してます。(2020)

 

 

21. Slowdive / Slowdive
いや最高傑作じゃないこれ?この手のバンドは得てして「これはこれでいいよね(最高傑作はあれだけど)」という事態になりがちだけど、ここで鳴ってるのは、古き良き郷愁でも中途半端な新境地でもなく、2017年のシューゲイズ。おかえりSlowdive。シューゲイズの灯は今もここに。(2017)

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最後らへんやたらリリカルですね。でも「最新が最高」と思えるのって本当に最高なんですよ。その瞬間に居合わせられるのはすごく幸福だなって思います。おそらく生のシューゲイズ初体験がこの年のレッドマーキーだったので、聴いてると今でもあの熱気の中で揺らめいた時間を思い出します。(2020)

 

Album of the Year 2017 20〜16位

 

20. delaidback / syrup16g
これを入れていいのか若干迷ったのだけど、感触としては企画盤ではなくオリジナルアルバムなんだよな。syrup16gはもしかしたらいつか聴かなくなる音楽なのかもしれないってずっと思ってる。でも生半可な許しでも安直な絶望でもない彼らの音楽は、僕にはまだまだ必要なようです。(2017)

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今でも必要です。syrup16gは本当に大好きなバンド。再結成後はいいやって人も結構いて、まあそれはそれで損なわれない思い出としてわかるんですが、聴いてみてもいいんじゃないかなーって。無観客ライブは観られませんでしたが、彼らは今でも確かにいい音楽を鳴らしています。しかし作品内容にまったく触れてないじゃないか(苦笑)。触れずとも想いが乗っかってしまうのも彼らの凄さなんですけどね。(2020)

 

 

19. Painted Ruins / Grizzly Bear
今年はインディーロックがとてもアツい年だったと思うのだけど、世間的にはそうでもないのか?「インディーロックなんてもう」とか言ってる人はとりあえずこれ何回か聴けよと言いたい快作。日本語ツイートが記憶に新しいけど来日公演はあるのかな?わくわく。(2017)

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インディーロックはアツかったでしょう。2020年現在はまたシンセポップ方面に少し戻った印象もあるインディーシーンですが、この当時はギターロックの復権とかいって生々しい演奏が印象的な音源も多かったなと思います。結局思わせぶりなだけで来日してないですよね(笑)。観られる日がきますことを。しかし「インディーロックなんてもう」とか誰か言ってたか?仮想敵作る論法はあんまよくないっすよ。(2020)

 

 

18. Ti Amo / Phoenix
これはかなりのスルメアルバムだと思うので、一度聴いて「あれ?」って思った人はもう何回か聴いてみて。ヨーロッパ色強めなのがクセになるアルバムで、特に“Fior Di Latte”は新たな彼らのアンセムとでも言うべき名曲やね。来日公演ではぜひぜひ鏡セットを持ってきてください!!(2017)

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単独も行きましたが、鏡セットはなかったですね。Lordeの謎箱セットもそうなんですが、やっぱ「世界基準のセットを再現できるか」は日本のライブ事情においてひとつ気になるポイントです(その点本気のセットじゃないと来ないRadioheadはすごいという話にもなります)。でも本当に繰り返し聴けるアルバムで今でも大好きですね。彼らのニュースタンダードが詰まってます。(2020)

 

 

17. ノスタルジア / okada takuro
テイストとしては森は生きているなのだけど、あの深い霧の中に佇むようなある種の重苦しさはなく、耳触りが軽くて心地よい。様々な客演ミュージシャンを迎えたことでより自由度を増し、一段階進化(深化)した極上のポップス。(2017)

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進化(深化)は言いがちなフレーズ。もうちょい頑張れって感じです。でもあえてポップスって言うのがいいですねと自画自賛。彼はROTH BART BARONのサポートの時とかもギターフリークな感じがすごく出てたし、単純にライブ表現が素晴らしかった。森のライブが観られなかったことはわりと心残りですが、色んな人と絡んでいく今の岡田さんも好きです。(2020)

 

 

16. No Shape / Perfume Genius
整理が追いつかないくらい色々な要素が混然と鳴り響いているのに、難解さやとっつきづらさは全然なくてどこまでもポップ。このアルバムで二層三層世界を広げた感じがあるよね。今ライブ観たい人筆頭なので来年はぜひフジロックのホワイトステージに!(2017)

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新作すごいし今年のフジロック期待してたんですけどね。また来年以降の楽しみといたしましょう。「世界を広げる」とかもキャッチーだけどボヤッとしててちょっと気をつけたいワード。しかしこうしてみると2017年は本当にインディー界隈が豊作でしたね〜(2020)

 

Album of the Year 2017 15〜11位

 

15. Rocket / (Sandy) Alex G
やりたいこと片っ端から突っ込んだ表現欲求の集合体みたいなアルバムで聴いてて思わずにやにやしちゃう。ノリでやっちゃったみたいなハードコアな曲もあれば50年くらいやってそうな老成された曲もあり、引き出しの多さに驚かされまくる14曲42分のおもちゃ箱みたいな時間。(2017)

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これは確実に今はもっと上位。ジャンクなごちゃごちゃ感もそのままにより洗練された次作は最高傑作だと思うけど、この時点で「未完成故に完成」みたいな感覚はありますよね。今年の来日は東京まで行くつもりだったんだけど、まあまた大阪までくる日を待ってます。あと助詞を落としがちな癖がありますね。ドライヴ感が出たりもしますが、基本的にやめたほうがいいですよ。(2020)

 

 

14. I See You / The xx
これはあえて何か言うまでもなく名盤だよね。Lordeもそうだけど、鳥肌立つくらいポップな曲をこれほどミニマルに表現できるのは素直に感服せざる得ない。単独も楽しみだ。余談だけど今年は“On Hold”をカラオケで歌いまくりました(一人二役)。どこかに僕のロミーはいませんかね(小声)。(2017)

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僕のロミーはいまだに現れないので、誰かお願いしますね。これも今なら明らかにもっと上位。今年はジェイミーにロミー、バンド本体の活動も期待される久々のxxイヤーの予感があるし、次来るなら1975みたいにもうヘッドライナーでもいいのかもしれない。またベイサイドでも観たいな。(2020)

 

 

13. Pure Comedy / Father John Misty
足早に通り過ぎる人々を横目に一歩一歩を踏みしめながらゆったり歩いていくような、優雅さと風格を漂わせる快作。超大作の映画のような壮大なプロダクションながら、核となるのは情感溢れる歌声。これこそがSSWの極致といっても過言ではない。来日が本当に楽しみ。(2017)

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それっぽいこと言ってんなあ。まあでもなんかわかる。もうちょい素朴というか、ある種の情けなさを持った人も多いSSWという人種の中でも、彼は色気だとか演劇人みたいなショーマンシップに溢れてて際立ってる感じがするんですよね。もうちょい簡素な次作も好きです。(2020)

 

 

12. Capacity / Big Thief
まずジャケットが最高。そしてこの人達こそ正しくElliott Smithの系譜と言えるだろうな。ナチュラルなアコギと浮遊感のあるギターが織りなすローファイな世界観は物悲しくもハッとするほど美しい。フォークロックは死んじゃいないしこれからも安心して暮らしていけるよ。(2017)

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今なら「フォークロックが好きなら不安とともに生きろよ」と言うかな。そして僕はどんだけElliott Smithを基準にしてるんだとつくづく思います(苦笑)。Big Thiefは1stの頃から大好きなので、今年の来日は本当に待ちわびていたんですが、もうちょい先になっちゃいましたね。その日の歓喜を思い描きながら暮らしていきましょう。(2020)

 

 

11. Funk Wav Bounces vol.1 / Calvin Harris
物議を醸したサマソニも含めて間違いなく今年の中心人物だったよね。銀河系軍団みたいなフィーチャリング勢を迎えた、全曲シングルカットクラスの至極の10曲。今年の漢字みたいなノリで一枚挙げろと言われたらこれを挙げるくらい、2017年を象徴するような一枚。(2017)

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銀河系軍団て。でも本当にこのアルバムは2017年を象徴してるとともに、今でもなんだったんだろうと思ったり。まあ誰が何を言おうがみんな彼の掌の上だよなって、ある種の清々しさがありますわ。Vol.2は一生出ないんじゃないでしょうか。知らんけど。(2020)

 

Album of the Year 2017 10〜6位

 

10. Powerplant / Girlpool
前作のゆるいフォークの雰囲気も残しつつ、90年代のオルタナを彷彿とさせるバンドサウンドとなっている。30分もない短いアルバムなのに、往年の大作みたいな満足感。基本ほわほわな中にギターロック的なかっこよさもあって、近頃いいバンドいないなって人にはぜひ勧めたい一枚。(2017)

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前作をゆるいフォークと言ってるのがちょっといただけない。もうちょい適切な表現があるだろうに。でもさりげなくも確実に作品ごとの色を変えてくる人達で、次作のElliott Smithみたいな感じも好きだし、この前のシングルのエレクトロを織り交ぜてる感じも好き。アルバムが楽しみです。(2020)

 

 

9. ar / 吉田ヨウヘイgroup
いやーやっぱすごいバンドだな。ホーンセクションとバンドサウンドが対等に並びあって、そのどれもが際立っているので、聴いてて圧倒される。そしてマスロック的なアプローチながらもメロディが素晴らしく、単純に歌モノとしても一級品。日本にもこんなバンドいるんやって一枚。(2017)

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やっぱ作品性まで落とし込める人が好きなんよな。前作のほうが象徴的な気もするけど、感触としてはこちら派。去年のONE MUSIC CAMPで観た時の、顔で弾くような情感にとても惹かれたし、紆余曲折しまくる人だけど今後とも期待してます。(2020)

 

 

8. Love in the 4th Dimension / The Big Moon
こんなバンドを待っていた。この時代に臆面もなくギャンギャン鳴らす度胸に驚かされるが、一発で耳に残る圧倒的なライティングセンスをみれば納得。Oasisは復活しないしRadioheadももうギターロックを鳴らさないが僕らには彼女達がいる。そんなアルバム。(2017)

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これを最上位にしないあたりがなんか気取ってる感じで嫌です(笑)。笑えてくるほど明快なギターロックに当時は心底撃ち抜かれたし、間違いなくこの年を象徴する1枚でした。以降ギターこそあまり鳴らなくなったものの、誰よりも2020年を鳴らしている今年の新作も愛聴してます。ずーっと来日を待望してるんですが気配はないですね。ライブ観てえ…(2020)

 

 

7. 公衆道徳 / 公衆道
詳細がよくわからない韓国のSSWだが、個人的には今年1番の衝撃。どうも耳慣れないスケールや展開が続出する楽曲にElliott Smithを彷彿とさせるアコギと暖かくも不穏なメロディが乗りなんとも混沌とした世界を作り出している。いい意味で国籍不明な音楽。早く次の音源が聴きたい。(2017)

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この出会いは衝撃だったな。よく覚えてる。多分アジアインディーを意識し始めたアルバムだし、これ以降の僕にとってもとても大きな作品。ただこれももっと上にしないことも自意識を感じてなんか嫌だし、個人的にはとかそんなん言わんでいいんすよ。先日書いた記事もあわせてどうぞ!(2020)

 

 

6. Sleep Well Beast / The National
クラシックを昇華した緻密な構成とエレクトロをフィーチャーした現代的なビート感を土台としながらも、鳴っているのは痺れるリフ満載のバンドサウンドが存分に感じられる正統派ロック。ロックバンドの新たな可能性を示した今年ナンバーワンのロックアルバム。(2017)

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このアルバムもすごく2017年を思い出しますね。“The System Only Dreams in Total Darkness”は今でもクラブナイトのハイライトで流れたりします。流れてしまいましたが、ずっと待望していた来日が決まった時はめっちゃ嬉しかったですよね。またみんなで歓喜する「他に言い表せない」日を待ちましょう。ちなみに今ならもうちょい読点をうちますかね。(2020)

 

Album of the Year 2017 5〜1位

 

5.  New Energy / Four Tet
今年一番聴いたアルバムだけどやはりこの安心感は唯一無二。今作は旋律の美しさが際立っていてヘタな歌モノよりよっぽど歌っている。いつどこで聴いても一瞬で周りの風景が消し飛ぶ圧倒的な存在感は健在で、彼の音楽さえあれば他に何もいらない気がしてくる。実に危ない。(2017)

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彼は昔から僕の常備薬なんですよ。次の年のクアトロでのライブも今でもよく思い出す鮮烈な体験だったし、KH“Only Human”、最新作と、今でもそれは変わりません。ウワモノ方面に振れた感のある最新作もすごく好きなんですが、ベースのニュアンスがテクスチャーをコントロールする彼の持ち味が存分に出ているのはこちらの方で、ここ数年の作品では一番好きです。(2020)

 

 

4. Mellow Waves / Cornelius
世界観はそのままによりミニマルに洗練されて帰ってきた待望の一枚。基本ループな展開で音一つ一つもいたってシンプルだけど、その掛け合わせで指数関数的に広がる音景。そしてタイトル通りメロウな雰囲気の中で、歌モノと言ってもいいくらい歌が立ってる。やっぱ凄い。(2017)

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 音景。サウンドスケープは長いので、字数制限をかわしたい時に使いがちです。このあと出た“Passionfruit”のカバーも好きなんですが、Yaejiもだしいろんな人がカバーしてますよね。彼らの真価はこの緻密な作品群を再現するライブ表現にあって、フジロック、単独、ソニマニとその度驚かされてきました。去年の朝霧(『POINT』再現?)もめっちゃ観たかったなあ。まあまたどこかで。(2020)

 

 

3. Colors / BECK
彼史上最もメインストリームに寄った作品だがそこはやはりオルタナの寵児。今風の踊れるダンスポップの中にキラーフレーズの如く入ってくる、ザラッとしたギターがたまらない。ローファイとハイファイ、ルーズとタイトが見事に混ざり合った世界観はやはり彼ならではで、流石と言う他ない。(2017)

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これは本当に大好きなアルバム。彼のディスコグラフィに順位をつけるのって本当に難しいんですが、『One Foot in the Grave』や『Modern Guilt』(過小評価されてない?)と並んで僕の最上位にいます。コーストで観たパフォーマンスはまさに「最新が最高」を体現していて生涯ベストアクトの一つなんですが、またあっさり次の一手が新境地になるのは、やっぱBeckBeckたる所以なんですよね。2020年代もよろしくお願いします。(2020)

 

 

2. Popcorn Ballads / サニーデイサービス
20曲越えのこの大作には、一発録りのようなブルースからヒップホップをフィーチャーしたファンク、The xxさながらのミニマルなロックに7分越えのバラード、夏から冬までポップのあらゆる側面が詰まっている。これを現代のホワイトアルバムと言ったら大袈裟だろうか。(2017)

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曽我部さんは本当に本当にチャレンジングな人ですよね。これ以降も何枚出したことか。でもこのアルバムと次作は、近年のサニーデイ史、曽我部史の中でも大きかったんじゃないかと思ってます。バリエーション豊かな大作をホワイトアルバムに例えるのもわりとありがちなので、的確なオルタナティブを探したいものです。(2020)

 

 

1. Melodrama / Lorde
いやもう格が違う。文句の付け所がない。これが20歳とか本当におそろしい。ミニマルだけど憎いほど盛り上げ方をわかってるビート、どの曲も確実にフックがあって一度聴いたら耳から離れないメロディ、そして老獪さすら感じる圧倒的な表現力。今年はみんな彼女に夢中だったよ。(2017)

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あまり音沙汰がないせいか懐かしくも感じますが、今でも最上位は間違いないですね。GROOVERSEOさんの十八番となった“Green Light”を筆頭にキラーチューンだらけだだし、“Perfect Places”なんかもグリーンステージを思い出して泣けてきちゃいます(降りてきた彼女が僕の目の前で引き返したことを若干引きずってますが)。新作を作ってるみたいな噂もありますよね。今年もあの年みたいに、みんな彼女に夢中になる年になるといいな。(2020)

 

 

あとがき

やっぱ3年も経つと次作を出してる人も沢山いて、それも踏まえて見方が変わったアルバムもちょいちょいあるなーと思いました。それにしても曽我部さんは出し過ぎやろと思いますが、次作以降も沢山AOTYに入れてたと思うので、またその時書きましょう。

 

この企画楽しかったですか?書いてる僕はわりと楽しかったです。コピペしてちょっと追加くらいに思ってたのに、思った以上に書いちゃいましたね。1万字超えって。AOTYやってる人はこんなふうに振り返ってみるのも楽しいので、気が向いたらぜひやってみてください。次は18年といきます。上半期もやるのか年末だけにするかは検討中ですが、ちょっと待っててください。では!

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おまけ 今なら入りそう5選

1. Aromanticism / Moses Sumney

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今なら確実に最上位なんですが、当時知らなかったのですよ。この後のEPや最新作ではさらなる深淵に到達した感のある彼ですが、僕の最大の道標であるElliott SmithRadioheadの最も理想的な邂逅といった趣のあるこのデビュー作。なんでもっと早く出会えなかったんだと思ったりします。

 

 

2. DAMN. / Kendrick Lamar

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ヒップホップを全然聴いてこなくてこの年から少し聴くようになったんですが、このアルバムはDJ KiMの“DNA.”を筆頭にクラブシーンを席巻していたのもあってよく聴いていました。ただ、ランキングに入れるのは浮くだろうと外してたんですよね。そんなこと気にせず好きに並べればいいじゃんとも思うんですが、すんなりそれができるんなら音楽ライターなんてやってないんですよ。でもこの後過去作も聴いて、フジロックの素晴らしいパフォーマンスも体感した今なら多分入れられます。成長と捉えておきましょう。

 

 

3. Turn Out The Lights / Julien Baker

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まあ当時から好きなんですが、Elliott SmithのBallad of Big Nothingのカバーをしてたのが彼女だと後から気づいて(これめっちゃトリビュートあるあるじゃないですか?)、それからのめり込んでいったんですよね。エリオットと共通した、諦念に近い部分の安らぎが声やアコギのタッチにこもってて、彼がいない世界にもその息吹はちゃんと息づいてるんだな、なんて思います。

 

 

4. Hot Thoughts / Spoon

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これは最後まで迷った1枚だった覚えがあります。クール/スタイリッシュと熱情のバランスが好きなんですよね。海外でライブを観た知り合いがとんでもないパフォーマンスだったと言ってたので、またどっかで観たいです。まだ夏前なのに来年の話をしちゃうのが少し寂しいんですが、SXSWのリベンジと、他にもなんか海外フェス行きたいなって思ってます。よかったら誰か一緒に行きましょう。

 

 

5. Friends Again / シャムキャッツ

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“MODELS”“GIRL AT THE BUS STOP”みたいなキャッチーなキラーチューンが好きだったので、当時は「ちょっと地味だな」と思ってたんですよ。でもボロフェスタ でライブを観てちょっと考えが変わりました。わかりやすいフックやトリッキーな仕掛けなどなくとも、歌の響きに身を任せながらありふれた日常が輝くアルバムやなーと。またフジロックでうろちょろしてるへらへらした夏目さんに会いたいです。

 

長らくお付き合いありがとうございました!こんなところでまた!

THE 1975 @SUMMER SONIC 2019 OSAKA

僕は使命感から筆をとっている。THE 1975がもたらしたものは僕の感情をズタズタのめちゃくちゃにし、今をもって完全には帰ってこれてはいないが、書き記さずにはいられない。こんなことを思ったのは2016年のRadiohead以来。偶然なのか天の思し召しか、あの時のサマーソニックでは彼らの裏でトリを飾っていたTHE 1975が、見違えるような圧倒的なスケールを携えてサマーソニック2019の地に帰ってきた。

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ROCK & ROLL

IS

DEAD

GOD BLESS

THE 1975

最終盤に大映しにされたこのステートメントの通り、悲痛な叫びも高らかな幸福感も含めて彼らのロックンロールを一つ残らず全て出し尽くし、大阪の地に埋葬したTHE 1975に最大限の敬意を示したい。分析的に書くのはいつだって蛇足だし、僕らそれぞれに去来した気持ちさえ残っていればこんな文章は必要ない。しかし、彼らの勇気への感謝と敬意として、この文章をネットの海に埋葬させてほしい。

前置きが長くなった。ただただ「愛やん」としか言いようのない、Weezerのアツくもほんわかとしたパフォーマンスの余韻が残る舞洲会場オーシャンステージ、18:05。でかでかと表示された冒頭の〈Go Down〉だけで鳥肌が立つ“The 1975 (A Brief Inquiry Into Online Relationships)”のSEに迎えられて、いよいよTHE 1975が登場だ。

 

“Give Yourself a Try”のどこか近未来の雰囲気が漂うギターリフ(ソニックステージのSEで何度も聞いたThe Nationalの“You Had Your Soul with You”とも通じる)に引っ張られて、初っ端からオーシャンは高まっていく。僕はただただ手を振り上げサビのフレーズを合唱する。これから始まるのは彼らと僕らの小さな挑戦なんだ。胸は高鳴るばかり。

TOOTIMETOOTIMETOOTIMETOOTIMETOOTIMETOOTIME…“TOOTIMETOOTIMETOOTIME”。本当にリリース当初から何回この言葉を口にしたかわからないほど聴いてきたこの曲だ。生で体感したら自然と顔もくしゃっとする。この曲をはじめとしたTHE 1975の楽曲をよくプレイして、大阪のバイブスを引き上げてくれたクラブイベント、GROOVERBritish Pavilion、そこで一緒に遊んだ面々にも感謝だ(ここで一緒に観ていたいつメンの2人にも)。

2ndからの“She's American”の高揚感も、TOOTIMEに引っ張り上げられて倍増。もはや彼らはZEDDと並べてもいいくらいハッピーなパーティーバンドだ。センキューセンキュー。そしておなじみのピカチュウみたいな帽子をかぶったマッティ(ちょっとズレてるのもかわいらしい)。“Sincerely Is Scary”では曲の世界観を最大限に表現した荘厳なステージセットとともに、程よい抜け感のあるジャジーなバンドサウンドが展開される。“It's Not Living (If It's Not With You)”の必殺リフもそうなのだが、90sロックに魅了されてきた僕らの胸を撃ち抜く、どこか郷愁を感じさせるサウンドを、そのまま2018−19年の時代感にのせてくるのがTHE 1975サウンドの恐るべきところだ。こんなもん、もうただただ歓喜。B'zファンと思しき人の「かっこいい…」という声も聞こえてくる。

 

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うなだれた様子でタバコをふかすマッティは、先日のドバイの一件について語る(知らない人はググってみてほしい。このライブの思い出に一つ違った視点が増えることと思う)。その後の“I Like America & America Likes Me”は間違いなくこの日のハイライトのひとつ。悲痛な想いをそのままに〈頼むから聞いてくれないか〉という孤独と、〈強い意志で一緒に声を上げるんだ〉という勇気に僕は涙で前がうまく見えなくなる(というか今も書きながらうるっとしてる)。ダイレクトにぶつかってくる内面の吐露が表現者の本質だとしたら、マッティはもはや名だたるロックスターの域に達したと言ってもいいだろう。

DJプレイにも通じるタイトなビートメイクが光る“Somebody Else”にしたって、単なる楽しいとか切ないを越えて「誰か」を想像させる表現力を持っている最新系のTHE 1975。“Champagne Supernova” דCreep”なんてぶち上げてみても全く大げさではない大アンセム“I Always Wanna Die (Sometimes)”では、しばしば僕らを塗りつぶしてしまう「いつだって死にたい」なんて感情をマッティと通じ合わせる、数万人の僕、俺、私たち。なんと美しい光景だろうか。

そして、この場で最も響いたのが“Love It If We Made It”だ。混迷を極める世の中だが、僕がここでItに投影したのはサマーソニックの姿。地蔵やら運営の不手際やら悪い情報が飛び交う中で僕の気持ちは若干暗くなっていたサマソニ期間中だったが、強い気持ちで拳を突き上げながら歌うマッティの姿に僕は強く胸を打たれる。曲に絡めて自説を展開するのもどうかと思うが、この時の僕がいち参加者=サマーソニックを作る一人として、ただこの場に集う全員が幸福であらんことをと願ったのは事実だ。

最終盤に入り初期のポップチューン“Chocolate”、“Sex”が立て続けにドロップされる。正直な話をするとリリース当時はチャラいアイドルバンドくらいに思っていた(その印象を完全には払拭しないのが彼らのすごいところでもあるが)これらの曲が、悲しみや怒りを出し切った先のロックンロールとして飛び込んできたのは僕にとってとてつもない衝撃だった。初期から支えてきたファンの感慨は僕の比ではないだろう。悲喜こもごも漂うオーシャンステージはここでピークに達する。そして上述のステートメント。最高だよ。THE 1975最高だよ。

最後は代表曲の“The Sound”。ここまできたらもう遠慮はいらない。近くにいたB'z勢も巻き込んでイチ、ニ、FUCKIN' JUMP!!!! もうパリピな僕もロックおじさんな僕も部屋で鬱屈としてる僕も全部この場に投影した最高に幸せな時間。そしてそれはここに集ったみんなを見てもわかる。〈君がそばにくれば胸の鼓動の音ですぐにわかる〉なんてチャラいフレーズも、ここではずっとずっと大きな意味を響かせている。ただただこの空間を共有する喜びを噛み締め、THE 1975は花火のような一瞬の儚い衝撃として過ぎ去っていった。1時間?10分くらいに感じた人は僕だけではないだろう。それほど濃密な時間だった。

 

ところで、“The Sound”ではいくつものメッセージがスクリーンにフラッシュされていた(おそらく歌詞とは違う)。全く思い出せないが、あそこに書かれていたのは必ずしも希望の言葉だけではなかったように思う。しかし、この地で全身全霊のロックンロールを体現した彼らと過ごした思い出があれば、僕らの明日はオールライトだ。GOD BLESS, THE 1975。ありがとう!!

DÉ DÉ MOUSE "be yourself" release oneman tour @京都メトロ

いやー、最高やったね!いろいろ書くの蛇足な気もするけど楽しかった思い出をつらつらと。

 


雨の鴨川 to メトロ

2日前に存在を知ったこの公演。金曜夜に京都メトロでDÉ DÉ MOUSEのバンドセットワンマン… 最高じゃねえか… 秒でチケットをとる。わくわく、わくわく。

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当日はあいにくの雨だったけど雨の鴨川もいい感じ。

メトロ着いたら早速目に飛び込んできたbe yourselfのジャケ。このジャケめっちゃ好きなんよなあ。ポケモンとかのデザインしてる人の作品らしく、鮮烈でキャッチーなんだけど変に煽情的にならないのがDÉ DÉ MOUSEのイメージとマッチしててとってもいい。

 

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そして来るの3回目だけどやっぱり京都メトロ大好きだ!地下鉄と地上の間っていうここしかない外観もザ!クラブ!って感じの猥雑な雰囲気も僕の中で理想のパーティ空間だ。ここでDÉ DÉ MOUSE… わくわく。

 


いよいよ!be yourself!

ウイスキーを飲んでいい具合に期待感が温まったところでいよいよDÉ DÉ MOUSEが登場。今回は彼のトラックとキーボードにバンドセットの3人を加えた贅沢な編成だ。

さっそくはじめるのかと思ったら「京都の人ー!大阪の人ー!あ!神戸の人ー!あと、、」と近隣の県から来たオーディエンスに声をかける。岡山の人とかいるのか?いやいるだろうな、そんくらい期待感が高まってる。しっかしゆるい人やなあ。場を和ますためとか自分で言うなよ笑 まあ思惑通り場も和んだところでいよいよスタート(ところで和歌山言ったっけ?笑)。

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いや、凄い… 正直彼1人のビートだけで十二分に踊れるくらいなのに、キックの音がズンズンとのってきて音の圧が身体を揺らす!バリバリのスラップベースと小気味のいいカッティングギターも音像に厚みをもたらしててめっちゃ分厚い!そしてレーザー6台を駆使した鮮烈なライティングが嫌が応にも感情を刺激する。エモい… エモ過ぎる…

畳み掛けるように新作『be yourself』から次々と披露、そしてそのたびに湧き上がる歓声。前作『dream you up』では今までのエキゾチックでどこかインテリジェントなイメージから、王道のEDM的マナーにのっとった素直な"楽しさ"に振り切れてきたDÉ DÉ MOUSE。今作ではその路線はそのままにお家芸であるカットアップされたヴォーカルを全面的にフィーチャーしている。


この歌ともいえない声がまた感情を掻き立てる。声を介した超言語的コミュニケーションとでも言おうか。断片的な言葉が彼の身振り手振りとハミングを通して"歌メロ"とか"フレーズ"と認識される前に潜在意識にダイレクトにぶつかってくる。彼のハミングも多分歌ってるわけではないが、僕もわけもわからず声にならない声が出てくる。多分普通の"歌"ではこうはできない。これがDÉ DÉ MOUSEだ。

 

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途中冗談なのかなんなのか「去年『dream you up』でデビューして今年2ndアルバム『be yourself』をリリースして…」などと言っていたが、それがあながち冗談にも聞こえないくらいアップデートされた新生DÉ DÉ MOUSE。「次が最後の曲です」と言われた時お世辞ではなく本心から出る「えーっ!?」という声。もうそんなにたったの?はやすぎる…


そんなこんなで本編最後は表題曲be yourself。「僕が最高なことをするだけ」という彼の言葉通り、圧力からも形式からも解放されたそれぞれが自分らしく叫び手を振り上げ踊りまくった最高の時間。アンコールではお馴染みの「DJ!」から1曲だけ披露されたが本当にこの時間が終わってしまうことが名残惜しい… 名残惜し過ぎる… それはまるで一瞬で過ぎ去ったこの夏のようだった。いやー、最高でした…!

 

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音楽って最高…!

汗をかき過ぎたので着替えがてらグッズTを買いに行くと本人が気さくにファンと話してる。「最高でした!!」「うん!僕もそうだったと思う!」 この謙遜しない感じいいなあ… 本当に最高でした!ありがとう!音楽って最高に楽しいなあ…!


そしてこの公演は9/14に渋谷O-EASTでも。こんな最高な夜はそうそうないよ。まだ聴いてない人は『be yourself』を聴いて、魅了されたらチケットをとろう!今すぐ!

Sonicmania & Summer Sonic 大阪1日目の感想をだらっと

今回はSonicmaniaSummer Sonic大阪1日目に参加!超特急で過ぎ去ってしまったけど忘れないうちにつらつらと。

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Sonicmania

 

 elrowステージ。めっちゃいい雰囲気!

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Cornelius (途中まで)
elrowステージでウォーミングアップを済ましてから、去年の単独行公演振りのCornelius。演奏と同期した鮮烈なビジュアルイメージとともに繰り出される不可思議な刻みかたをする演奏はのりかたなんてわからなくても集中して身を委ねてると身体が反応を示して動きだす。和製なんちゃらって言い方は好きじゃないけど誰かを和製Radioheadと呼ぶならやっぱり僕はCorneliusをそう呼びたいな。ただただクールだけどアツくなれるステージだったし、多種多様なノリが見られて楽しかったなあ。

Dorian Concept
泣く泣くCorneliusを抜けて観にきたDorian Conceptはとっても変幻自在なプレイ。クラシックみたいなアンビエントに胸を打たれてたかと思えばイケてるビートが響いてきて唸らされる。と思ったらブリブリな音が乗ってきてファミコンみたいなSEに意表を突かれたり。次に何がくるか全く予想がつかないわくわくどきどきの30分間でした。

Nine Inch Nails
あの豪雨のサマソニから9年振りに観るNIN(伝説の'13フジも観たかった!)。控えめに言って圧倒的カリスマ、神という表現もトレントレズナーを評するならあながち間違っていないのではないか。マイクスタンドに体重をかけながら魂の底から歌う姿がこれほど絵になる人は他には誰もいない。ドキュメンタリーみたいなモノクロのライブ映像も相まってまるで僕ら全員が伝説の真っ只中にいるような気分になったし、WishGave Upみたいなハードコアな曲はもちろんのこと、PiggyCloserみたいなミドルテンポの曲でもバンドがバッキバキに決めてくるから内面からふつふつとテンションが上がったよね。あとハンドクラップ求めまくったりPiggyで客席に入ったり、クールなイメージだったけど意外とお茶目な感じもしてよかった。もう完全に自分の曲だろってくらいハマってたI'm Afraid Of Americans / David Bowieのカバーも最高だったし、なんといってもハイライトは一番最後のHurt。一瞬やらないのかと思ったところに"I…… hurt myself today…"の歌いだしが聞こえてきた時は鳥肌がたったしボロボロ泣いてしまった。屋内だけど暴風雨みたいな異様な高揚感が詰まったステージで、もうこれで終わりでもいいと思うくらい最高のステージだった!

My Bloody Valentine
いやいや終わっちゃダメだ!ど深夜でNINのあとのふらふら状態、ウイスキー片手っていう最高のシチュエーションの中現れたのは今夜の目玉My Bloody Valentine!僕にとっては念願の初マイブラなのでどんなライブになるかめちゃくちゃ楽しみだ!そんなふうに思いながら初っ端の出音。で、でかい… 噂に聞いてた通りだ… でも意外といけるかなと思って耳栓を外してみるものの、しばらくして酩酊状態になってきたのでもう一度装着。ギターの音にかき消されてほとんど歌が聞こえないくらいだけどシューゲイズの本質はダンスミュージック。こちらも負けじとこれでもかとでかいドラムの音に合わせて身体が動く動く。サイケって概念を煮詰めて抽出したようなビジュアルイメージとそれをライブに重ねたサイドモニターの映像も相まってどんどん現実感が薄れていって、夢の中のような幻想的な空間の中ただただ揺られていた。正直現実感がなさすぎて細かいことはほとんど何も覚えてないけど、You Made Me Reariseのノイズピットに身を委ねてる中口をついて出てきた「美しい…」を自分でもよく覚えてる。やはり原点にして頂点。音源の一億倍凄い。残ってたもの全部根こそぎ持ってかれて精根尽き果てたけどそれも含めて今思い返すと最高の体験だった!あー、また観たい。こりゃあ中毒になるわ…

Ross From Friends
マイブラに持ってかれすぎて楽しみにしてたPetit Biscuitもわざわざ3Dメガネを持参したFlying Lotusもすっ飛ばしてしまってこの日の締めはこの人。とはいえ全然動けないので座りながらボーッと眺めていました。前の踊ってる人達元気だなあ… このFour Tetにも通じるような没入感と陶酔感を味わえるストイックなプレイはぜひぜひまたじっくり観たい。単独来てください!あ、もっと体力つけます…笑 フラッフラになりながら新幹線へ向かう…

 

みんな戦友…!

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Summer Sonic Osaka Day 1

Knox Fortune (途中から)
寝てなくてフラフラだったけど、なんとか間に合ったのでこの日は楽しみにしてたこのバンドから。チルい雰囲気かと思いきや、この日の暑さにも負けない陽気でアツいパフォーマンスで最初なのにもう汗ダラダラ笑 チャノのカバーだったりいい感じにヘタウマっぽいパンクナンバーだったり、一発目にふさわしい楽しいライブでした!

Rex Orange County
午後のソニックステージに現れたのは初めて日本に来てくれた期待の新星。伸びやかに間をとる独特のタイム感から繰り出されるのは、とっても爽やかでJ-POP育ちの僕らの胸もキュンとする甘酸っぱくてどっかノスタルジックな曲達。ギターロックに熱狂してた僕らもグッとくるようなギター使いに、ピアノ、ラップまで織り交ぜたステージはまったく気負いがなく肩の力が抜けた感じでオシャレというかもう洒脱というしかない!それでいてMCはなんか小慣れてなくて若々しい感じだったのも好感度高いなあ。目を閉じたら明るい光が入ってくる気持ちのいい休日の午後、これはもう隠れたベストアクトと言ってもいいかも。

Tom Misch
実はアルバムはそれほどピンときてなかったので上階で座りながら観ていたのだけど、意外とストイックにキメるスタイルを見てアリーナへ。アダルティ(お前何歳だよ)でしっとりした曲からキメるとこはビシッと決めてすごくいいステージだったなあ。

Jorja Smith (途中から)
ちょっと外で腹ごしらえをしてからまた中へ。いやー、えっちい見た目にも目が行きがちだけどやっぱ貫禄の歌姫だね。バンド演奏もゴリゴリ攻めてきたし胸が熱くなるステージでした。それと、この次のチャノまでみんな初めて日本に来たと言ってたけど、ここらへんの世界で盛り上がってるアクトを揃えるサマソニの慧眼に驚かされるばかりですね…

Chance The Rapper
ついに来た!待ち望んでたチャノがついに大阪オーシャンステージに現れた!動きひとつひとつがとってもチャーミングでラップもキレッキレだし、バックの人達はてきとーな寄せ集め感すらあるリラックスした雰囲気ながらもガンガン飛ばしてくるし最高にかっこいい!そしてリリックはそれほどわかってるわけじゃなくても、本当に真に迫ってくる歌唱でもっともっとちゃんと理解したいなと思いました。No Problemでは文句なしにぶち上がったし(ドラムがやばかった!)、最後のSame DrugsBlessings (Reprise)は僕ら一人一人に語りかけてくるようで、太陽が昇って沈む映像も相まってとても感動的だったなあ。最高のポップスターだけどまるで友人のように僕らに寄り添って一緒に楽しんだチャノのライブ、自分自身としては彼の気合いにちゃんと応えきれたかなって若干の悔いがあるけど、そんなのなんも関係ないくらい祝福に包まれた最高の時間でした。また日本で会おう。もっともっと僕も頑張ります!そして追記になるのだけど、東京公演を観たみんなのツイートが楽しかったで溢れてたのを見てうるうるきてしまった。Same Drugsの大合唱、嬉しそうに涙ぐむチャノ、国境も国籍も時間も場所も越える音楽の力を目の当たりにしてぼろぼろ泣いてしまったよ。みんなもチャノも最高だ…!!

 

チャノが指差した綺麗な夕焼け

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Beck
最高のCOAST公演から9ヶ月、Beckが大阪にやってきた!初っ端Devil's Haircutのギターをぎゃーんと鳴らす感じは前日観た盟友Corneliusとだぶって見えたし、そこからまさかのLoserでテンション上がりっぱなし!それからも新旧交えた名曲のオンパレードで、もうこのステージが1つのパッケージとして完成されてたよなあ。I'm So FreeではCOAST公演の熱狂的な縦ノリをよっぽど気に入ってくれてたのか「好きなように跳ねて楽しんでなー」みたいなことキラッキラした顔で言っててめっちゃかわいかったし僕もめっちゃ嬉しくなって跳ね回ってた!最初なんの曲かよくわからない入り方する演出もよかったしビジュアルも色とりどりサイケな感じでこれまたテンション上がったよね。まさにショーマンシップの塊と言う以外ないしやっぱこの人はスタジアム級のアーティストだって自ら証明してくれた最高のステージでした!

Paramore (途中から)
Beck終わって急いだら最後のほうに間に合ったのでちょっとだけ。ほとんど知らないけど会場の熱狂的な雰囲気が伝わってきてさすがキャリアあるバンドだなって思いました。でも最高のポップチューンHard Timesでみんなと盛り上がれたのはもう最高の締めって感じだったし大満足で帰路に… 楽しかったなあ。

 

しぇからしかで締め!

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いやー、本当にあっという間に夏が過ぎたね!皆さんお疲れ様でした!今後も単独とか行ったらこんな風に書いてくのでまたよろしくでーす!

FUJI ROCK FESTIVAL '18の雑感をだらっと

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久々の更新!

今回のフジロックは1日目は配信で観て後2日参加!でもめっちゃ濃かったなあ… 忘れないうちにその感想をだらだら書いていきます。

 

Day 1 (配信で)

MONGOL800 / neco眠る / ミツメ / Let's Eat Grandma / Perquet Courts / Albert Hammond Jr. / Tune-Yards / サカナクション / Mac DeMarco / ODESZA / N.E.R.D

初日はパッキングしながら配信で。誰しもの青春MONGOL800(配信なかったらみなかっただろうからありがたい)や、みんながベストに上げるのもよくわかる貫禄のステージをみせてくれたTune-Yards、考え尽くされたセトリでグリーン準トリを見事につとめ上げたサカナクション、そして幸せにあふれたこの夜のハイライトODESZA等、配信みてたら余計に現地に行きたくなるアクトばかりで笑 来年はなんも考えず早割とろう。でも現地行ってからも配信みてる勢のツイートも流れてきてわちゃわちゃしてたのめっちゃ面白かったしやっぱこの試みはいいなって思った。来年も期待!

 


Day 2

The Birthday (一瞬)

苗場に着いて一発目、数年振りにみたチバユウスケは羨ましいくらい渋いおっさんになってたなあ。近年いかに洋楽ばっか聴いててもやっぱ思い出深いバンドだし、グリーンのこの時間帯に配置してくれたフジロックに拍手!!

 


小袋成彬

彼の『分離派の夏』は冒頭の川端康成がどうとかいう朗読でうへーってなったりしていまいち馴染みきれなかったものの、印象に残る曲も多かったのでライブはかなり期待してて。そして「この後宿帰って寝るのかな?」ってくらい普段着みたいな格好で現れた彼のライブはとてもシンプルな構成ながら圧倒的な歌唱。いちいち耳と心に引っかかってくるしやっぱトラック単体の力が傑出してるなって思った。中盤の若者のすべて / フジファブリックのカバーは虚を突かれてコンタクトひとつ無駄にしちゃったけど、こんなセンセーショナルな選曲なのに全く違和感なく馴染んでて絶妙な選曲するなあって。改めて聴こう『分離派の夏』。 

 


Johnny Marr (一瞬)

スミスはこの世で一番級に好きなんだけど恥ずかしながらマーソロは全然知らなかったので今回初体験。でもやっぱり苗場のグリーンステージが似合うスケールのでかい王道ロックで流石やなって思った。惜しむらくはSuperorganism待機で早めに抜けてスミスの2曲を観られなかったこと(次の日の早朝配信でみました笑)だけどまたどっかで会おうな兄貴!!

 


Superorganism

直前のインタビューから察してたけどオロノは(明らかにわざと)カタコト日本語だったり、ファックファック言いまくってたり、フジの環境でもどうしても取り巻く"ティーンの日本人女子がなにか物珍しいことやってるぞ"っていう色眼鏡(さらに広く言えば日本社会に根深く存在する差別意識)に真っ向から立ち向かっていて本当にかっこよかったな。普通にやればピースフルで終わりそうなゆるいポップのステージであんな攻撃的なパフォーマンスをするアンバランスがめちゃくちゃ印象に残ってるし終わった今になってもなんだか考えさせられてしまう。メンバー誰をとっても一筋縄ではいかない超個性派集団はまさにSuperorganismの名にふさわしいバンドだったし来年また単独行けるのが楽しみで仕方がない!

 


Skrillex (途中まで)

MGMTが観たかったのでこの踊らせバカヤロウはほとんど観られなかったけど、それだけの時間でもめちゃくちゃテンションあがったなあ!グリーンの後方までビートがガンガンぶち当たってきて、僕も周りの人達も踊りっぱなし。YOSHIKIもみたかったけど、逆にそんなん観たらどうなっちゃってたか想像もつかないのでこれで十分笑 大満足でしたわ!

 


MGMT

案外簡単に入れてまずは一安心。Time To PretendElectric Feelみたいな初期のキラーチューンは勿論だけど、新作からのLittle Dark AgeWhen You DieMe And Michaelも最高に盛り上がってたしあの無敵だった僕たちのMGMTが帰ってきたって気持ちだったよ。それでもやっぱりハイライトはKids。半狂乱でリフを叫びながら知らない人達とハイタッチしたり、この時の僕らは完全優勝だったと言わざるを得ない…!単独も来ないかなあ!

 


Kendrick Lamar

さて世界が注目するこの夜の主役が登場。どんな感じになるんだろうという期待と不安が入り混じった緊張感の中、初っ端DNA.でいきなりぶち上がる!それからは映像や踊りも交えながら一瞬一瞬期待を上回り続ける鮮烈なパフォーマンスで不安なんか何処へやら。全然歌わせない日本人フレンドリーな感じだったけど、そんなの関係なく歌って踊ってみんなで楽しんでたなー。AlrightとかHUMBLE.なんて周りの兄さん達と拳を突き合わせたりしてクラブのピークタイムみたいだったし持参したお酒も全部飲み干しちゃうくらい最高潮!!でもアンコールのAll The Stars(=苗場に集まった全員)でスマホのライトをつけて踊ったことは絶対忘れられないしこの夜のハイライト。もう「ヒップホップよくわからん」とかなんも関係ないよな。ジャンルを超越した世界最高のステージだったし今後もずっと語り継がれていくことは間違いない。そしてこの大成功で今後の日本のライブ事情にも希望の光が射したような気持ちにもなるし、ほんとあらゆる意味で意義深い最高のステージでした!

 


Day 3

Western Caravan (途中まで)

今回唯一のヘブンで寝っ転がりながらだらだらと。モヒート飲んでカレー食べて極上のバンド演奏に身を包まれるこの時間、めっちゃ幸せだったなあ…

 


Suchmos (一瞬)

通りがかっただけなのでI Love Football(なんやねんそれ笑)とその前の曲しか観てないけど、フェス媚びしないストイックなセトリですげえなって思った。もっとも彼らに関してはそのあとのSNSの盛り上がりが面白かったけども笑 今後も同行が気になるバンドっすね!

 


Hinds (途中まで)

サービス精神旺盛すぎだろあんたら!笑 ハッピーなゆるポップでみんなニコニコ、MCの「オドリタイ!」とか言葉選びも超キュート。アンダーソン行きたくて早めに抜けたけどすごく満足感のあるステージでした!余談だけどtwitterで他の出演者アカウントにビール飲もうぜって送りまくってたの今回一番笑ったかもしれない笑笑 かわいすぎかよ!

 


Anderson .Paak & The Free Nationals

めっちゃテンション高いステージだったねー!1曲目Come Downから一瞬で最高潮に持ってきて、終盤はドラムとヒップホップの二刀流。ステージを所狭しと踊り倒す彼の姿を見たら負けてらんねえなってこっちも最高に気分上がったよな。僕の今年ベストソング'Til It's Overではサビ入りの敬礼みたいなポーズ→プチョヘンザ!→怒涛のドラムタイムがドラマチック過ぎてもう言葉を失ってしまった…!今年一番暑い夏がこのステージにあったな!!

 


Jack Johnson (一瞬)

彼のこと全然詳しくなくて3曲くらい観ただけだけどあのピアノの人ジャックを喰うくらい目立ってたよね笑 ゲスト? でもこの時間帯ディラン前ってのが本当にぴったりな気持ちいいステージでした。

 


serpentwithfeet

今回一番楽しみにしてたアクトだけど入りの少なさがちょっと残念やったな。彼を媒介として降りてきた何か神聖なものは時折悪魔にも変わって彼の一挙手一投足から目が離せなかったよ。祈るような手つきでいいちこカップを握り締めてたし、あのお茶目な感じのMCがなければどっか別の世界に連れてかれてしまうところだった。かなりはやく終わってしまったのも心残りだけど、これに懲りずまた単独でも来てほしいな。絶対行くから!!

 


Bob Dylan & His Band

そろそろ空も暮れようかという時間に現れた真打ちはMCも派手な演出もなくただ歌って演奏するだけ。究極にシンプルなステージだけど歌も演奏も極限まで突き詰められた最上級のクオリティと圧倒的な説得力。年季の入ったファンでも「なんだこの曲?」ってなるくらい今現在にアップデートされた曲達は知ってるか知らないかなんて何も関係ない。苗場史上最も老若男女入り混じったグリーンステージは、熱狂する人やただただ喜びを噛みしめる人、とりあえず観てる人から果ては寝てる人まで本当にみんな想い想いの過ごし方をしている。自由を象徴するディランの歌声に包まれた夕暮れ時の苗場はまさにフジロックが培ってきた自由の精神を体現しているような、そんな空間だった。ほんとディランの前に立たされたら全員同じだなーっていう、バラバラながらもある種の一体感を感じながら気持ちいい風に吹かれてしみじみと眺めていました。苗場20周年にふさわしい伝説の夜、みんなはどう過ごしてた?

 


本日休演 (一瞬)

ceroもダープロも行くのしんどそうだったのでかねてから気になってた京都のバンド本日休演を観に苗場食堂へ。この時間ここにいる人達ってかなりの玄人揃いだと思うけど、ディランのすぐ後っていう責任重大な位置にも物怖じしない楽しいステージでみんな盛り上がってたなあ。京都でもまた観に行こう。

 


Vampire Weekend

苗場に帰ってきたインディーロックの絶対王者は最初から最後まで楽しいを突き詰めたようなステージで終始笑顔で手を振ってたなあ。やっぱエズラの奇想天外だけどキャッチーでクセになるメロディはたまらないや。一番好きなStepの時我慢できなくてトイレに向かってたんだけど、道行く人達と手を振り交わして踊りながら歩いてたのがこの夜のハイライトかもしれない。カバーにしてもCape Cod Kwassa KwassaジャムセッションからのピースフルなHere Comes The Sunに、超ストイックに会場を温めたNew Dorp. New York / SBTRKT、そしてHAIMのダニエルを迎えた全インディーキッズを殺しにかかるThe Boys Are Back in Town / Thin Lizzyとにっくいにっくい選曲だったしフジロック史上一番じゃないかってくらい綺麗な月も相まって文句のつけようのない120点のステージだったね。必ず出すよって言ってくれた新作を携えての単独来日超待望!エイ!エイ!エイ!エイ!

 


Chvrches (途中から)

VW終わりでゆったり向かって最後方で観てたけど、みんなChvrchesが大好きなこと、そしてChvrchesが日本のみんな大好きなことが伝わってきてすっごく幸せな時間だったね。ファンの方が用意した国旗を楽しそうに振り回すローレンをみてたら、これはファン冥利に尽きるだろうなあって僕もしみじみとなりました。大団円にふさわしいさいっこうに楽しい空間だった!

 


菊地成孔(DJ) feat. Spank Happy / CHAI /Chip Tanaka / SUGIURUMN plays Madchester & Acid House Classics

夜は何を観るでもなくゆるっとだらっと、一度荷物を取りに帰るなどもしつつ自由に過ごしてました。フジでの夜遊びはじめてだったんだけど、この空間は素晴らしいな… 僕が求めているものすべてがここにはあったしここでのエピソードは書き出したらきりがない… 来年はもっと夜遊びしたいって心から思った。また来年ここでテキトーに乾杯しようぜみんな!

 

いやー、今回ほんま最高に楽しかったな!一緒に行ったメンバーも初めての宿も最高だったし今までで最高のフジロックだったと思う。現地で関わってくれたみんな、本当にありがとう!また来年苗場で!

 

今回感想書いてみて改めて文章書くの好きだなあと思ったので、ライブ行く時とか定期的に書いていこうと思います。マメじゃないのでちゃんと続くかわからんけど、よかったらまたよろしくお願いします!とりあえず次はソニマニ→サマソニかな!

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