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音楽周りのあれこれかれこれ

2020年に振り返るあべのAlbum of the Year 2017

はろーべいべーあべです。そろそろ上半期ベストの時期ですね。今やTwitter音楽界隈の初夏と年末の風物詩となった#AOTYですが、ああでもないこうでもないと頭を悩ませるのが楽しいこの遊びに初めて参加したのは2017年。まだライターを始める前でした。

 

さて、Twitterでインスタントなリアクションをもらえるのがとても面白いこの試みなのですが、如何せんTwitterだと残らずに流れていってしまう。ブログとかnoteと並行するのがベストでしょう。そこで今回このブログに移行することとしました。

 

しかし、ただコピペするだけでは面白くない。なので2020年の今、振り返って思うことを追記してみました。まあ「2020年に振り返る」とか言ったものの、批評的に検討するなら5年後10年後がベターだろうし、今回は移行ついでの思い出の振り返りと、自己添削がメインの雑感です。だらだら書いてくのでまあよかったら。今回は2017年のアルバム25+2枚です。

 

一応「AOTYはどう出すのがベターか?」とか「ランキング哲学」みたいなものも交えられたらなと思ったり。とりあえず2017年上半期に画像だけでやったものの、「コメント入れないとおもんないな」と思って(僕がやるぶんにはね)、連続ツイートでコメントを紐づけたのが2017年末でした。

 

ある程度しっかり書けるし、紐づけるたびにインプレッションをもらえるので、おそらくこの方法はベストに近いでしょう。ただ僕としては極力1ツイートで完結させたい人間なので、以降この方法はとっていません。あと25枚にコメントを入れるのはわりとしんどい(だからこそ50とか100とかちゃんとコメント入れる人は敬服いたします)。そんな感じでしょうか。

 

2017年のコメントは誤字脱字とちょっとした表記以外触らないので、僕としても当時何を言っていたのかソワソワしてます。では、特別枠の2枚からどうぞ。

 

 

Album of the Year 2017 25〜21位+特別枠2枚 

特別枠① Either / Or (expanded edition) / Elliott Smith

Elliott Smithの最高傑作20周年盤。リマスターされた本編もさることながら、特筆すべきは未発表音源。まだこんな名曲があるのか。全部出してよという気持ちと、いつまでも小出しにしててよという気持ちがあるけど、いずれにせよエリオットはずっと僕らの心の中に。(2017)

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“I Figured You Out”は本当に名曲。今年は『Elliott Smith』の25周年盤も控えてるし、亡くなってからもいつまでもワクワクしながら待てるって、本当に贅沢なことですよね。エリオットに関してはライターとして何かしたいとずっと思ってるし(手始めにこのブログで何か書こうかな)、これからも一緒に生きていくことでしょう。(2020)

 

 

特別枠② OK Computer OKNOTOK 1997 2017 / Radiohead

こちらもまた20周年盤(97年はとんでもない年だな…)。リリース発表から色々葛藤はあったけど、やっぱりついに解禁した未発表3曲はめちゃくちゃ興奮したなあ。去年の『A Moon Shaped Pool』と今年の『OKNOTOK』でひとつキャリアの総括となった彼らの次に向かう先はどこなのか。来年も目が離せないな。(2017)

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からのサスペリア!ジョニーのサントラ!ANIMA!エドのソロ!ですよ。キャリアの総括みたいな話はサマソニ16の頃から何度か書いてたんですが、この間インタビューで似たようなことが語られててちょっとニヤッとしましたね。一時は「解散しても不思議ではないな」と思っていたんですが、頓挫したものの来年のツアーも計画されていた様で、まだまだ彼らは僕の道標であり続ける様です。そういえば噂されてた『Kid A』『Amnesiac』の20周年企画はあるんですかね?(2020)

 

 

25. Antisocialites / Alvvays

駆け込みでこの前聴き始めたのだけど近頃リピートしまくってる。今までちゃんと聴いてこなかった自分を殴りたいくらいすべてがどストライク。小気味いいメロディに程よくシューゲ風なサウンドに… 過去作も漁ろうそうしよう。(2017)

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このあとよく行くロックDJイベントのGROOVERでも定番の“Archie, Marry Me”に出会ったりして、どっぷりハマったんですよね。あと同居人の部屋から異様な頻度で“Dreams Tonite”が流れてくるのもあって、あまり懐かしい感じがしない。近頃は最低10周はしたものしか候補にしないんですが、5年振りに同居人達とフジロックに行って音楽熱が本格的に再燃した年だったので、25枚選ぶのにも苦労してる印象です(笑)。Alvvaysはフジロックも単独も見逃してしまったので、またいつかライブも観てみたいです。(2020)

 

 

24. The Day We Had / Day Wave
結局のところ僕らは寝ても覚めてもインディーロックキッズなのでいつだってこんな風に素直で明快なサウンドを探してるし、こんなものを聴かされた日には頬を緩めずにはいられない。次作以降どうなっていくのかとても楽しみ。単独来日も待ってる!(2017)

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めっちゃエモい書き方してんな(笑)。スーパーカーやSam Fenderにも通じる、このインディーロックの無敵な感じが本当に好きなんですよね。フジでサインをもらってるところをホステス公式にすっぱ抜かれたのもいい思い出です。あんま活動しないんかなと思ってたところの4月の新作も嬉しかったですね。また観たいものです。(2020)

 

 

23. Somersault / Beach Fossils
何を聴くか迷うような時によく聴いていたので、ある意味でElliott Smith枠かもしれない。ポップさと気怠さのバランスが絶妙で、どんな気分にも寄り添うこのアルバムに今年はずいぶん助けられたと思う。(2017)

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僕には毎年「何を聴くか迷うような時によく聴いていた」枠があるんですよ。基本的にはFour TetとかJon Hopkinsみたいなエレクトロが多いんですが、インディーロックがこうなるのは珍しくて、本当にエリオット枠だなと思います。DYGLとの2マンもUK(日本)・USインディーの共演って感じですごく楽しかったですね。ああいうコンセプトが光る企画ライブはめっちゃ好きです。(2020)

 

 

22. Everybody Works / Jay Som
今年は女性ボーカルが輝いていた年だったけど、彼女もその1人。今風で綺麗なサウンドスケープの中に、スマパンとかそこら辺のオルタナグランジ感がどことなく漂っていて、ここら辺に郷愁を感じてしまう僕としては感涙もの。ずっとリピートしちゃう。(2017)

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次作も大好きなJay Som。今ならもっと上位でしょうね。当時から薄々思ってたんですが、もう女性SSWとかガールズバンドって部分をあえて特筆する意味はないよなって思います。それどころか旧来的な言説を強化してしまうし気をつけなきゃあかんポイントです。急遽ドラムレス編成になった来日公演もめっちゃ楽しかったし、“But I like the Bus!”できたのもいい思い出。彼女はまだまだでかくなっていくはずだし期待してます。(2020)

 

 

21. Slowdive / Slowdive
いや最高傑作じゃないこれ?この手のバンドは得てして「これはこれでいいよね(最高傑作はあれだけど)」という事態になりがちだけど、ここで鳴ってるのは、古き良き郷愁でも中途半端な新境地でもなく、2017年のシューゲイズ。おかえりSlowdive。シューゲイズの灯は今もここに。(2017)

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最後らへんやたらリリカルですね。でも「最新が最高」と思えるのって本当に最高なんですよ。その瞬間に居合わせられるのはすごく幸福だなって思います。おそらく生のシューゲイズ初体験がこの年のレッドマーキーだったので、聴いてると今でもあの熱気の中で揺らめいた時間を思い出します。(2020)

 

Album of the Year 2017 20〜16位

 

20. delaidback / syrup16g
これを入れていいのか若干迷ったのだけど、感触としては企画盤ではなくオリジナルアルバムなんだよな。syrup16gはもしかしたらいつか聴かなくなる音楽なのかもしれないってずっと思ってる。でも生半可な許しでも安直な絶望でもない彼らの音楽は、僕にはまだまだ必要なようです。(2017)

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今でも必要です。syrup16gは本当に大好きなバンド。再結成後はいいやって人も結構いて、まあそれはそれで損なわれない思い出としてわかるんですが、聴いてみてもいいんじゃないかなーって。無観客ライブは観られませんでしたが、彼らは今でも確かにいい音楽を鳴らしています。しかし作品内容にまったく触れてないじゃないか(苦笑)。触れずとも想いが乗っかってしまうのも彼らの凄さなんですけどね。(2020)

 

 

19. Painted Ruins / Grizzly Bear
今年はインディーロックがとてもアツい年だったと思うのだけど、世間的にはそうでもないのか?「インディーロックなんてもう」とか言ってる人はとりあえずこれ何回か聴けよと言いたい快作。日本語ツイートが記憶に新しいけど来日公演はあるのかな?わくわく。(2017)

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インディーロックはアツかったでしょう。2020年現在はまたシンセポップ方面に少し戻った印象もあるインディーシーンですが、この当時はギターロックの復権とかいって生々しい演奏が印象的な音源も多かったなと思います。結局思わせぶりなだけで来日してないですよね(笑)。観られる日がきますことを。しかし「インディーロックなんてもう」とか誰か言ってたか?仮想敵作る論法はあんまよくないっすよ。(2020)

 

 

18. Ti Amo / Phoenix
これはかなりのスルメアルバムだと思うので、一度聴いて「あれ?」って思った人はもう何回か聴いてみて。ヨーロッパ色強めなのがクセになるアルバムで、特に“Fior Di Latte”は新たな彼らのアンセムとでも言うべき名曲やね。来日公演ではぜひぜひ鏡セットを持ってきてください!!(2017)

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単独も行きましたが、鏡セットはなかったですね。Lordeの謎箱セットもそうなんですが、やっぱ「世界基準のセットを再現できるか」は日本のライブ事情においてひとつ気になるポイントです(その点本気のセットじゃないと来ないRadioheadはすごいという話にもなります)。でも本当に繰り返し聴けるアルバムで今でも大好きですね。彼らのニュースタンダードが詰まってます。(2020)

 

 

17. ノスタルジア / okada takuro
テイストとしては森は生きているなのだけど、あの深い霧の中に佇むようなある種の重苦しさはなく、耳触りが軽くて心地よい。様々な客演ミュージシャンを迎えたことでより自由度を増し、一段階進化(深化)した極上のポップス。(2017)

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進化(深化)は言いがちなフレーズ。もうちょい頑張れって感じです。でもあえてポップスって言うのがいいですねと自画自賛。彼はROTH BART BARONのサポートの時とかもギターフリークな感じがすごく出てたし、単純にライブ表現が素晴らしかった。森のライブが観られなかったことはわりと心残りですが、色んな人と絡んでいく今の岡田さんも好きです。(2020)

 

 

16. No Shape / Perfume Genius
整理が追いつかないくらい色々な要素が混然と鳴り響いているのに、難解さやとっつきづらさは全然なくてどこまでもポップ。このアルバムで二層三層世界を広げた感じがあるよね。今ライブ観たい人筆頭なので来年はぜひフジロックのホワイトステージに!(2017)

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新作すごいし今年のフジロック期待してたんですけどね。また来年以降の楽しみといたしましょう。「世界を広げる」とかもキャッチーだけどボヤッとしててちょっと気をつけたいワード。しかしこうしてみると2017年は本当にインディー界隈が豊作でしたね〜(2020)

 

Album of the Year 2017 15〜11位

 

15. Rocket / (Sandy) Alex G
やりたいこと片っ端から突っ込んだ表現欲求の集合体みたいなアルバムで聴いてて思わずにやにやしちゃう。ノリでやっちゃったみたいなハードコアな曲もあれば50年くらいやってそうな老成された曲もあり、引き出しの多さに驚かされまくる14曲42分のおもちゃ箱みたいな時間。(2017)

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これは確実に今はもっと上位。ジャンクなごちゃごちゃ感もそのままにより洗練された次作は最高傑作だと思うけど、この時点で「未完成故に完成」みたいな感覚はありますよね。今年の来日は東京まで行くつもりだったんだけど、まあまた大阪までくる日を待ってます。あと助詞を落としがちな癖がありますね。ドライヴ感が出たりもしますが、基本的にやめたほうがいいですよ。(2020)

 

 

14. I See You / The xx
これはあえて何か言うまでもなく名盤だよね。Lordeもそうだけど、鳥肌立つくらいポップな曲をこれほどミニマルに表現できるのは素直に感服せざる得ない。単独も楽しみだ。余談だけど今年は“On Hold”をカラオケで歌いまくりました(一人二役)。どこかに僕のロミーはいませんかね(小声)。(2017)

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僕のロミーはいまだに現れないので、誰かお願いしますね。これも今なら明らかにもっと上位。今年はジェイミーにロミー、バンド本体の活動も期待される久々のxxイヤーの予感があるし、次来るなら1975みたいにもうヘッドライナーでもいいのかもしれない。またベイサイドでも観たいな。(2020)

 

 

13. Pure Comedy / Father John Misty
足早に通り過ぎる人々を横目に一歩一歩を踏みしめながらゆったり歩いていくような、優雅さと風格を漂わせる快作。超大作の映画のような壮大なプロダクションながら、核となるのは情感溢れる歌声。これこそがSSWの極致といっても過言ではない。来日が本当に楽しみ。(2017)

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それっぽいこと言ってんなあ。まあでもなんかわかる。もうちょい素朴というか、ある種の情けなさを持った人も多いSSWという人種の中でも、彼は色気だとか演劇人みたいなショーマンシップに溢れてて際立ってる感じがするんですよね。もうちょい簡素な次作も好きです。(2020)

 

 

12. Capacity / Big Thief
まずジャケットが最高。そしてこの人達こそ正しくElliott Smithの系譜と言えるだろうな。ナチュラルなアコギと浮遊感のあるギターが織りなすローファイな世界観は物悲しくもハッとするほど美しい。フォークロックは死んじゃいないしこれからも安心して暮らしていけるよ。(2017)

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今なら「フォークロックが好きなら不安とともに生きろよ」と言うかな。そして僕はどんだけElliott Smithを基準にしてるんだとつくづく思います(苦笑)。Big Thiefは1stの頃から大好きなので、今年の来日は本当に待ちわびていたんですが、もうちょい先になっちゃいましたね。その日の歓喜を思い描きながら暮らしていきましょう。(2020)

 

 

11. Funk Wav Bounces vol.1 / Calvin Harris
物議を醸したサマソニも含めて間違いなく今年の中心人物だったよね。銀河系軍団みたいなフィーチャリング勢を迎えた、全曲シングルカットクラスの至極の10曲。今年の漢字みたいなノリで一枚挙げろと言われたらこれを挙げるくらい、2017年を象徴するような一枚。(2017)

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銀河系軍団て。でも本当にこのアルバムは2017年を象徴してるとともに、今でもなんだったんだろうと思ったり。まあ誰が何を言おうがみんな彼の掌の上だよなって、ある種の清々しさがありますわ。Vol.2は一生出ないんじゃないでしょうか。知らんけど。(2020)

 

Album of the Year 2017 10〜6位

 

10. Powerplant / Girlpool
前作のゆるいフォークの雰囲気も残しつつ、90年代のオルタナを彷彿とさせるバンドサウンドとなっている。30分もない短いアルバムなのに、往年の大作みたいな満足感。基本ほわほわな中にギターロック的なかっこよさもあって、近頃いいバンドいないなって人にはぜひ勧めたい一枚。(2017)

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前作をゆるいフォークと言ってるのがちょっといただけない。もうちょい適切な表現があるだろうに。でもさりげなくも確実に作品ごとの色を変えてくる人達で、次作のElliott Smithみたいな感じも好きだし、この前のシングルのエレクトロを織り交ぜてる感じも好き。アルバムが楽しみです。(2020)

 

 

9. ar / 吉田ヨウヘイgroup
いやーやっぱすごいバンドだな。ホーンセクションとバンドサウンドが対等に並びあって、そのどれもが際立っているので、聴いてて圧倒される。そしてマスロック的なアプローチながらもメロディが素晴らしく、単純に歌モノとしても一級品。日本にもこんなバンドいるんやって一枚。(2017)

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やっぱ作品性まで落とし込める人が好きなんよな。前作のほうが象徴的な気もするけど、感触としてはこちら派。去年のONE MUSIC CAMPで観た時の、顔で弾くような情感にとても惹かれたし、紆余曲折しまくる人だけど今後とも期待してます。(2020)

 

 

8. Love in the 4th Dimension / The Big Moon
こんなバンドを待っていた。この時代に臆面もなくギャンギャン鳴らす度胸に驚かされるが、一発で耳に残る圧倒的なライティングセンスをみれば納得。Oasisは復活しないしRadioheadももうギターロックを鳴らさないが僕らには彼女達がいる。そんなアルバム。(2017)

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これを最上位にしないあたりがなんか気取ってる感じで嫌です(笑)。笑えてくるほど明快なギターロックに当時は心底撃ち抜かれたし、間違いなくこの年を象徴する1枚でした。以降ギターこそあまり鳴らなくなったものの、誰よりも2020年を鳴らしている今年の新作も愛聴してます。ずーっと来日を待望してるんですが気配はないですね。ライブ観てえ…(2020)

 

 

7. 公衆道徳 / 公衆道
詳細がよくわからない韓国のSSWだが、個人的には今年1番の衝撃。どうも耳慣れないスケールや展開が続出する楽曲にElliott Smithを彷彿とさせるアコギと暖かくも不穏なメロディが乗りなんとも混沌とした世界を作り出している。いい意味で国籍不明な音楽。早く次の音源が聴きたい。(2017)

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この出会いは衝撃だったな。よく覚えてる。多分アジアインディーを意識し始めたアルバムだし、これ以降の僕にとってもとても大きな作品。ただこれももっと上にしないことも自意識を感じてなんか嫌だし、個人的にはとかそんなん言わんでいいんすよ。先日書いた記事もあわせてどうぞ!(2020)

 

 

6. Sleep Well Beast / The National
クラシックを昇華した緻密な構成とエレクトロをフィーチャーした現代的なビート感を土台としながらも、鳴っているのは痺れるリフ満載のバンドサウンドが存分に感じられる正統派ロック。ロックバンドの新たな可能性を示した今年ナンバーワンのロックアルバム。(2017)

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このアルバムもすごく2017年を思い出しますね。“The System Only Dreams in Total Darkness”は今でもクラブナイトのハイライトで流れたりします。流れてしまいましたが、ずっと待望していた来日が決まった時はめっちゃ嬉しかったですよね。またみんなで歓喜する「他に言い表せない」日を待ちましょう。ちなみに今ならもうちょい読点をうちますかね。(2020)

 

Album of the Year 2017 5〜1位

 

5.  New Energy / Four Tet
今年一番聴いたアルバムだけどやはりこの安心感は唯一無二。今作は旋律の美しさが際立っていてヘタな歌モノよりよっぽど歌っている。いつどこで聴いても一瞬で周りの風景が消し飛ぶ圧倒的な存在感は健在で、彼の音楽さえあれば他に何もいらない気がしてくる。実に危ない。(2017)

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彼は昔から僕の常備薬なんですよ。次の年のクアトロでのライブも今でもよく思い出す鮮烈な体験だったし、KH“Only Human”、最新作と、今でもそれは変わりません。ウワモノ方面に振れた感のある最新作もすごく好きなんですが、ベースのニュアンスがテクスチャーをコントロールする彼の持ち味が存分に出ているのはこちらの方で、ここ数年の作品では一番好きです。(2020)

 

 

4. Mellow Waves / Cornelius
世界観はそのままによりミニマルに洗練されて帰ってきた待望の一枚。基本ループな展開で音一つ一つもいたってシンプルだけど、その掛け合わせで指数関数的に広がる音景。そしてタイトル通りメロウな雰囲気の中で、歌モノと言ってもいいくらい歌が立ってる。やっぱ凄い。(2017)

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 音景。サウンドスケープは長いので、字数制限をかわしたい時に使いがちです。このあと出た“Passionfruit”のカバーも好きなんですが、Yaejiもだしいろんな人がカバーしてますよね。彼らの真価はこの緻密な作品群を再現するライブ表現にあって、フジロック、単独、ソニマニとその度驚かされてきました。去年の朝霧(『POINT』再現?)もめっちゃ観たかったなあ。まあまたどこかで。(2020)

 

 

3. Colors / BECK
彼史上最もメインストリームに寄った作品だがそこはやはりオルタナの寵児。今風の踊れるダンスポップの中にキラーフレーズの如く入ってくる、ザラッとしたギターがたまらない。ローファイとハイファイ、ルーズとタイトが見事に混ざり合った世界観はやはり彼ならではで、流石と言う他ない。(2017)

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これは本当に大好きなアルバム。彼のディスコグラフィに順位をつけるのって本当に難しいんですが、『One Foot in the Grave』や『Modern Guilt』(過小評価されてない?)と並んで僕の最上位にいます。コーストで観たパフォーマンスはまさに「最新が最高」を体現していて生涯ベストアクトの一つなんですが、またあっさり次の一手が新境地になるのは、やっぱBeckBeckたる所以なんですよね。2020年代もよろしくお願いします。(2020)

 

 

2. Popcorn Ballads / サニーデイサービス
20曲越えのこの大作には、一発録りのようなブルースからヒップホップをフィーチャーしたファンク、The xxさながらのミニマルなロックに7分越えのバラード、夏から冬までポップのあらゆる側面が詰まっている。これを現代のホワイトアルバムと言ったら大袈裟だろうか。(2017)

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曽我部さんは本当に本当にチャレンジングな人ですよね。これ以降も何枚出したことか。でもこのアルバムと次作は、近年のサニーデイ史、曽我部史の中でも大きかったんじゃないかと思ってます。バリエーション豊かな大作をホワイトアルバムに例えるのもわりとありがちなので、的確なオルタナティブを探したいものです。(2020)

 

 

1. Melodrama / Lorde
いやもう格が違う。文句の付け所がない。これが20歳とか本当におそろしい。ミニマルだけど憎いほど盛り上げ方をわかってるビート、どの曲も確実にフックがあって一度聴いたら耳から離れないメロディ、そして老獪さすら感じる圧倒的な表現力。今年はみんな彼女に夢中だったよ。(2017)

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あまり音沙汰がないせいか懐かしくも感じますが、今でも最上位は間違いないですね。GROOVERSEOさんの十八番となった“Green Light”を筆頭にキラーチューンだらけだだし、“Perfect Places”なんかもグリーンステージを思い出して泣けてきちゃいます(降りてきた彼女が僕の目の前で引き返したことを若干引きずってますが)。新作を作ってるみたいな噂もありますよね。今年もあの年みたいに、みんな彼女に夢中になる年になるといいな。(2020)

 

 

あとがき

やっぱ3年も経つと次作を出してる人も沢山いて、それも踏まえて見方が変わったアルバムもちょいちょいあるなーと思いました。それにしても曽我部さんは出し過ぎやろと思いますが、次作以降も沢山AOTYに入れてたと思うので、またその時書きましょう。

 

この企画楽しかったですか?書いてる僕はわりと楽しかったです。コピペしてちょっと追加くらいに思ってたのに、思った以上に書いちゃいましたね。1万字超えって。AOTYやってる人はこんなふうに振り返ってみるのも楽しいので、気が向いたらぜひやってみてください。次は18年といきます。上半期もやるのか年末だけにするかは検討中ですが、ちょっと待っててください。では!

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おまけ 今なら入りそう5選

1. Aromanticism / Moses Sumney

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今なら確実に最上位なんですが、当時知らなかったのですよ。この後のEPや最新作ではさらなる深淵に到達した感のある彼ですが、僕の最大の道標であるElliott SmithRadioheadの最も理想的な邂逅といった趣のあるこのデビュー作。なんでもっと早く出会えなかったんだと思ったりします。

 

 

2. DAMN. / Kendrick Lamar

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ヒップホップを全然聴いてこなくてこの年から少し聴くようになったんですが、このアルバムはDJ KiMの“DNA.”を筆頭にクラブシーンを席巻していたのもあってよく聴いていました。ただ、ランキングに入れるのは浮くだろうと外してたんですよね。そんなこと気にせず好きに並べればいいじゃんとも思うんですが、すんなりそれができるんなら音楽ライターなんてやってないんですよ。でもこの後過去作も聴いて、フジロックの素晴らしいパフォーマンスも体感した今なら多分入れられます。成長と捉えておきましょう。

 

 

3. Turn Out The Lights / Julien Baker

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まあ当時から好きなんですが、Elliott SmithのBallad of Big Nothingのカバーをしてたのが彼女だと後から気づいて(これめっちゃトリビュートあるあるじゃないですか?)、それからのめり込んでいったんですよね。エリオットと共通した、諦念に近い部分の安らぎが声やアコギのタッチにこもってて、彼がいない世界にもその息吹はちゃんと息づいてるんだな、なんて思います。

 

 

4. Hot Thoughts / Spoon

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これは最後まで迷った1枚だった覚えがあります。クール/スタイリッシュと熱情のバランスが好きなんですよね。海外でライブを観た知り合いがとんでもないパフォーマンスだったと言ってたので、またどっかで観たいです。まだ夏前なのに来年の話をしちゃうのが少し寂しいんですが、SXSWのリベンジと、他にもなんか海外フェス行きたいなって思ってます。よかったら誰か一緒に行きましょう。

 

 

5. Friends Again / シャムキャッツ

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“MODELS”“GIRL AT THE BUS STOP”みたいなキャッチーなキラーチューンが好きだったので、当時は「ちょっと地味だな」と思ってたんですよ。でもボロフェスタ でライブを観てちょっと考えが変わりました。わかりやすいフックやトリッキーな仕掛けなどなくとも、歌の響きに身を任せながらありふれた日常が輝くアルバムやなーと。またフジロックでうろちょろしてるへらへらした夏目さんに会いたいです。

 

長らくお付き合いありがとうございました!こんなところでまた!