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2020年に振り返るあべのAlbum of the Year 2019

はろーべいべーあべです。Twitterからの移行と2020 so farのウォームアップを兼ねた「2020年に振り返る」シリーズ。先日の2017年、2018年に続いて、第3回は2019年です。

 

この年はライターとして本格的に活動し始めた年で、ANTENNAに加入した他、FUJIROCK EXPRESSとしてライブレポートを書いたりしていました。どちらも前の年のフジロックの時は想像もしていなかったことなので、あれよあれよと巻き込んでいただいてることに本当に感謝ですよ。もっと頑張ります。

 

それで忙しかったのもあってか、2019年は上半期ベストは出さずに、年間のアルバムのみ16選だったようです。iPadメモでも多めにコメントを書けたのはよかったけど、やっぱ曲もやりたいですね。ちょっとやり方は考えます。

 

さて、振り返るといっても半年前だとそんなに変わらないので、今回は転載だけにしときます。楽しみは10年後にとっておきましょう。では16位から!

 

 

 

Album of the Year 2019 16〜11位

16. i,i / Bon Iver

前作の方が好きだけど、緻密なサウンドプロダクションをさらに上質な構築美に昇華した上で、かなりポップに仕上げてきたのはさすがとしか言いようがない。これは生音で体感したい。来日行きたかったけど、フジのホワイトトリで来てくれるのでオッケーです。いや、来てよ、頼むよ?(2019)

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15. 光の中に / 踊ってばかりの国

どこまでも広がっていくライブ感を基調としたアルバムで、本当にスタジオ録音なのかと疑ってしまうほどみずみずしい表現が詰まっている。今年もITAMI GREEN JAMで観たけど、あそこの空は彼らの空なんだよな。ロックンロールは最高や!それだけですよ。(2019)

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14. Anak Ko / Jay Som

聴くたびに唸っちゃう。90s初頭のオルタナへの郷愁を感じるギターサウンドが単純にカッコいいんだけど、いちいちツボを突いてくるメロディは歌謡曲みたいな親しみも感じるし、なによりSSW独特のオーガニックな響きがしっかりと芯にあるのがすごい。ライブ今度初めて観るんだけど絶対やばいよな、楽しみだ〜!(2019)

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13. Tomb / Angelo De Augustine

上半期一番聴いてたかも。触ると壊れてしまいそうな繊細なギターと歌声が紡ぎ出す、素朴だけど実に芳醇で味わい深いサウンドスケープ。なんだか胸が締め付けられてしまいますね。やっぱり僕はこういう表現が好きなんだなって改めて思った一枚です。(2019)

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12. Big fish / 王舟

なんだろう、多重録音って言葉が似合う。御影ロマンスではルーパーを駆使しながら色々してたけど、古き良きスタジオの質感とDAWに打ち込む現代的なDIY感がうまく混ざり合った新たな王舟サウンド。柔らかくも暖かいウイスキーみたいな老獪なサウンドメイクで、カフェで読書とかしながら聴きたい一枚。(2019)

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11. Schlagenheim / black midi

一番の衝撃は間違いなく彼ら。完全な計算の先にある無軌道の手にかかってしまえば、時代性なんて糞食らえだろう。なぜなら時代はもう彼らの手の中にあるのだから。極限の緊張状態をまといながら一瞬で過ぎ去るライブパフォーマンスも最高だったし、また何度でも観たい。レッドマーキーとかで観たい。(2019)
 

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Album of the Year 2019 10〜6位

10. Hyperspace / Beck

Beckの凄いところは、今までのディスコグラフィーをすべてパレットに乗せた上で絶妙な配分で新たな音像を描くところ。だからどれでもあってどれでもないし、完全にBeckの音なのに完全に新境地。でも何回観ても次のライブが想像つかないんだよな。来年フジとか来ないかな。(2019)

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 9. ANGELS / THE NOVEMBERS

目下最強のライブバンドでしょ。彼らのことはずっと聴いてきたわけではないけど、これはもうぶっ飛ばされましたよ。NINの復活やThe 1975の新境地など2020年の楽しみはいっぱいあるけど、間違いなくこの作品と近いところにあるし、そういう意味で時代性ど真ん中。爆音で浴びるカタルシスっすよ。(2019)

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8. Two Hands / Big Thief

『Capacity』から直繋がりなのはこちらな感じがする。『U.F.O.F』がどんなパフォーマンスになるのか想像つかないのに対して、 歌心にフィーチャーした生々しいサウンドメイクに素直に浸れるこのアルバムは、ライブで浴びるのがすごく楽しみになってくる。 5月が待ち遠しいっすね。(2019)

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7. WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? / Billie Eilish

やっぱり今年は彼女だよね。僕の人生を通過してきた様々なヒーロー達が重なりつつもそのどれとも違う全く新しいヒーロー像は、新しい時代を強く感じさせます。どんだけビリー流すんだよってくらいクラブシーンも席巻してたよね。SUPERSONICのヘッドライナー超待望です!!(2019)

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6. What Chaos Is Imaginary / Girlpool

Elliott Smithの存在を強く感じさせられたこの一年だったけど、最も強くそれが息づいているのがこの一枚だったと思う。こういう人たちがいる限り彼は僕らの中で永遠なんだろうな。でも決して懐古的なものではなく、やりきれない空気を感じて顔をしかめてしまう2019年の時代感がのった作品です。(2019)

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Album of the Year 2019 5〜1位

5. けものたちの名前 / ROTH BART BARON

この上なく切実。一瞬で空気が変わる迫真の演奏は行き詰まってしまった時代の憂いも感じさせるけど、それでも力強く一歩を踏み出そうと僕らを鼓舞してくれる、毎日の生活の中の音楽。圧倒的な肯定感、「ここにいていいんだ」って感じ。誰も完璧ではないからこそ、僕らはともに歩んでいくんですね。(2019)

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4. ANIMA / Thom Yorke

長く続けたTMBセッションの果てに出来上がった今作は、身体の躍動を感じさせるライブ感と緻密なスタジオワークが絶妙なバランスで混ざり合ったソロ最高傑作と言っていいし、Radioheadの先をも感じさせるよね。フジロックのパフォーマンスは僕の今年のベストアクト。またどっかで会いましょうね。(2019)

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3. Father of the Bride / Vampire Weekend

SBTRKTのカバーを通過したような"Sympathy"しかり、Vampire Weekendの外枠を取り払ってEzra Koenigの趣味性を散りばめたようなアルバム。“This Life"に"Harmony Hall”、数多の夜を彩ってくれました。願わくば、その歌詞世界の物悲しさを乗り越えた“2021”を 迎えられることを。(2019)

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2. U.F.O.F / Big Thief

Thom Yorkeが生まれ変わってJoni Mitchellの才覚を手にしたのならこんな表現をするのではないかとか、そんな妙な例えをしたくなる。おぞましさすら感じる濃密なサウンドスケープはまるで深淵に浸食されていくかのようで、彼らの進化(深化)を感じさせる会心の一枚。来日めっちゃ楽しみ。(2019)

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 1. House of Sugar / (Sandy) Alex G

インディーロックかくあるべし。自分しかわからないんじゃないかっていう感情もこんな風に僕らに届くんです。健やかなる時のアルバムは数あれど、病める時もそばにいてくれるアルバムはそんなになくて、今年はとっても助けられましたね。一生添い遂げることを誓いたいし、この時代に彼と出会えてよかった。(2019)

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あとがき

3年もやると結構自分の軸が見えてきたなという感じがします。僕の音楽感はElliott Smith軸とRadiohead軸、あるいはダンスフロア軸、その交錯でできてるんだなと。そういう意味でも2019年は素晴らしい年でしたね。これは10s総括という意味でもじっくり振り返りたいのでいつかまた。では、このへんで!

 

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