(don't get any) Big Ideas

音楽周りのあれこれかれこれ

和訳と考察 Paranoid Android / Radiohead

youtu.be

 2017年のグラストンベリー。ライティングやばすぎない?笑

youtu.be

Please could you stop the noise, I'm trying to get some rest
From all the unborn chicken voices in my head
その音を止めてくれないか
頭の中から今にも生まれてきそうな臆病な喚き声から逃げて休みたいんだ

What's that...?
(I may be paranoid, but not an android)
What's that...?
(I may be paranoid, but not an android)
なんだっていうんだ
(僕は妄想気質なのかもしれないけどアンドロイドじゃない)
なんだっていうんだ
(僕は妄想気質なのかもしれないけどアンドロイドじゃない)

When I am king, you will be first against the wall
With your opinion which is of no consequence at all
僕が王様ならあんたを真っ先に磔にする
あんたの意見なんて全く何ももたらさないんだから

What's that...?
(I may be paranoid, but no android)
What's that...?
(I may be paranoid, but no android)
なんだっていうんだ
(僕は妄想気質なのかもしれないけどアンドロイドじゃない)
なんだっていうんだ
(僕は妄想気質なのかもしれないけどアンドロイドじゃない)

Ambition makes you look pretty ugly
Kicking and squealing gucci little piggy
You don't remember
You don't remember
Why don't you remember my name?
Off with his head, man
Off with his head, man
Why don't you remember my name?
I guess he does....
野心まみれのあんたは醜くみえる
甲高い声でグッチ好きの子豚のようだ
覚えていないんだ
あんたは覚えていない
なぜ僕の名前を覚えていないんだ
奴の首を刎ねろ
奴の首を刎ねろよ
なぜ僕の名前を覚えていないんだ
だって奴なら…

Rain down, rain down
Come on rain down on me
From a great height
From a great height... height...
Rain down, rain down
Come on rain down on me
From a great height
From a great height... height...
Rain down, rain down
Come on rain down on me
雨よ降れ 雨よ降れ
さあ 雨よ降れ 僕に降り注げ
遥かなる高みから
遥かなる高みからさ
雨よ降れ 雨よ降れ
さあ 雨よ降れ 僕に降り注げ
遥かなる高みから
遥かなる高みからさ

That's it, sir
You're leaving
The crackle of pigskin
The dust and the screaming
The yuppies networking
The panic, the vomit
The panic, the vomit
God loves his children, God loves his children, yeah!
それだけだよ
あんたは置き去りにする
豚の皮のひび割れや
塵や叫び声や
ヤッピーのネットワークなんかや
狂気と吐き気も
狂気と吐き気すらも
神は神の子らを愛す 神は神の子らを愛すんだろ、なあ?

 

単語
paranoid:偏執病的
android:人造人間
何か自分のものではないような考えに悩まされてはいるけど、僕は僕であり作られたものではないってことかな。極めて人間らしい偏執のせいでロボットなんじゃないかという妄想にとりつかれるのはとても皮肉。
consequence:結果、影響

kicking:すごい、イキイキとしている
squeal:キーキーいう音、甲高い声、悲鳴
rain down:雨よ降れ。reign down(支配してくれ)がかかってるんじゃないかな。
great height:遥かなる高み、天上

crackle:ひび割れ、ばちばちいう音
yuppie:知的職業に就いているエリートのこと

 

ロックの最高峰『OK COMPUTER』は最早ロックなのかもよくわからないとこまでいっていて、それを象徴するような曲。ミュージックビデオは歌詞の内容を象徴的に表している。

パラノイドに関しての歌だけど、歌詞の内容もかなり誇大妄想的でよくわからんことを歌っているような感じ。僕はこの歌詞は社会に対することでもあるけど、同時に神に対するものだと思っていて。

とっても妄想的な自分の性質を呪っていて、神に救いを求めるのだけど(rain down)、どこにどう存在してるのかもよくわからない神に対する恨み辛みも募るばかり。「野心まみれの〜」のくだりは、当然人間の醜さについてだけど、こんな世界を造った神に対する被害妄想もあるのかと思う。

「覚えていない〜」のくだりは、創造者たるあんた(神)が僕のことを何も気にかけないのはどうかしてるってことかな。「僕が王様なら〜」「奴の首を刎ねろ」にも独善的な妄想気質が見て取れる。

「雨よ降れ」以降は、こんな世界(the dust &〜のような混沌として行き場を失った世界)をどうか救ってくれ、さもなくば壊してくれ、見て見ぬ振りはやめてくれ、あんたは自分の創造物を愛するんだろ?と、さらに被害妄想を加速させて終わりを迎える。

こういう解釈でいいんかな。『OK COMPUTER』自体が全体として、パーソナルな感覚を出発点としたそれ以前の作品と比べて、妄想気味などっか漠然と飛躍したところに向かっている。次作『KID A』で”ロックは死んだ”という方向に行くわけだけど、この時点でその傾向は見て取れるかなって。では。

和訳と考察 Golden Slumbers / The Beatles

なんだこの映像。

youtu.be

Once there was a way,
To get back homeward.
Once there was a way
To get back home.
Sleep, pretty darling,
Dot not cry
And I will sing a lullaby.
かつて故郷へと続く道があった
かつて家へと続く道があった
おやすみかわいい子よ 泣かないで
子守唄を歌ってあげるよ

Golden slumbers,
Fill your eyes
Smiles await you when you rise
Sleep pretty darling
Do not cry
And I will sing a lullaby.
黄金のまどろみが君の瞳を満たし
微笑みが君の目を覚ます
おやすみかわいい子よ 泣かないで
子守唄を歌ってあげるよ

Once there was a way
To get back homeward
Once there was a way
To get back home
Sleep, pretty darling
Do not cry
And I will sing a lullaby.
かつて故郷へと続く道があった
かつて家へと続く道があった
おやすみかわいい子よ 泣かないで
子守唄を歌ってあげるよ

 

単語
once:[副詞]かつて
homeward:[副詞]故郷へ向かって
darling:[名詞]あなた、お前/素敵な人 日本語のダーリンは恋人や夫婦を思い浮かべますが、もうちょっと広い意味です。僕は大切な人のことは君と呼ぶのでyouは君と訳しました。
lullaby:[名詞]子守唄
slumber:[名詞](通例複数)眠り、まどろみ 眠りに落ちそうな時の意識が曖昧になりつつある気持ちいい感じを黄金と言っているのかな。

 

1969年のThe Beatlesのアルバム『Abbey Road』より。伊坂幸太郎原作の映画『ゴールデンスランバー』で斉藤和義がカバーしたことでも有名。『Abbey Road』後半の一連のメドレーの中の小作品という位置づけだけど、単体として取り出してもいいものだなあ。懐かしさと安心感がある普遍的なメロディはやはりビートルズならでは。映画の中で登場人物が度々”Once there was a way〜”と口ずさんでいたけど、代表曲の『Yesterday』しかり、全体の完成度もさることながら冒頭の掴みがこれ以上ないキャッチーさを持っているまさに普遍的名曲。映画の中で使われるタイミングはなかなか辛い状況ばかりなのだけど、そんな時に口をついて出てくるこの曲が心の中にある大切なものを取り戻させてくれるのだなと思う。

 

おまけ。映画のプロモーション。

youtu.be
最後にちょっと斉藤和義バージョンが流れるけど日本のミュージシャンでビートルズマインドを広く一般的に歌ってる人といえばやっぱせっちゃん。ナイスチョイス。伊坂さんあんま詳しくないけど、いい映画だったのでこちらもよかったら。

好き嫌い?良し悪し? 〜音楽を聴くこと語ること〜

先日こんなツイートをした。

 

これは音楽の話に限らず、文学でも映画でも美術でもラーメンでもいいのだが、1番わかりやすい音楽の例で。例えばこんな会話をしたことはないだろうか。

例1)

あなた「○○はこういう点が良いんだよ」

Aさん「でも私好きじゃないし。好みは人それぞれだよね」

例2)

あなた「流行りの△△たいしたことないよな」

Bさん「でも好きな人は好きなんだろうよ。好みは人それぞれだよね」

 

知るかよ。そんな当たり前のことはどうでもいいんじゃ。僕は良し悪しについての議論がしたいんじゃ。

まあ僕がかなりお喋り好きなせいもあるだろうが、こんな風に「それは好みの問題だろ」で会話がストップしてしまった経験はないだろうか。

端的に言って僕はこうなっちゃう人とはあまり音楽の話をしたくない(実際に僕とこういう会話した人も読んでると思うけど、弁解やら反省やらもあるので最後まで読んでね)。さらに言えば、こういう場で「好みの問題」とか言い出すのは、議論できない人の逃げの方便だろとすら思っていた。

 

しかしそんな時にあるフォロワーさんのブログを読んだ。ここで取り上げられているのは前述の僕のツイート。

himoderation.hateblo.jp

 

これを読んだ僕は目から鱗が落ちる思いだった。

前提を結論と取り違えている。

本当にこの一言に尽きる。他でもない僕が前提を結論と取り違えていた(というより「好みの問題」派は「好みの問題」を結論として言っているのだと思い込んでいた)。

 

■「好みの問題」

気づいてしまえば当たり前のことだった。音楽を聴く時に「好みで聴く」は一番プリミティブで自然な方法だ。例えば評論なんかの評価を受けて、あるいはそれに反して「ここが良いここが悪い」なんて聴き方をする方がよっぽど不自然で邪道ともいえる。こんなのは当たり前だ。

ただ僕からしたら(あくまで僕からしたら)、前述のAさんBさんもここを大きく取り違えているように見える。僕からしたら「好みの問題でしかないんだから良し悪しについて議論しても無駄だよ」といったような感じに映っていた。 でも「好みの問題」であることは前提であり、それでも(無駄に終わるかもしれないが)それを超えた議論をしたいというのが僕のスタンスであった。僕も知らないうちに結論付け合戦に巻き込まれてしまっていたようだ。

というか何も結論を出したいわけではない。良し悪し白黒つけたいと言っているわけではない。そんなのは無理だ。良し悪しなんてのは「ある角度から見て良い、ある角度から見たら悪い、まあ総合的に言ってこれくらい」みたいなもので個々人によってその良い悪いの配分が違うし、時代によってもひっくり返る。絶対はない。

でも音楽をはじめとした様々な表現には"語らせる作用"があると思っている。こんなにも各種の批評が存在するのはなぜか。僕みたいなブロガーが星の数ほどいるのはなぜか。"語らせる作用"があるからだ。そして音楽についてあーでもないこーでもないと答えのない議論をすることは素晴らしいことだ。話すことで自分でも全く気付いていなかった点に気付いたりもする。議論自体は答えの出ない不毛なものかもしれないが、この行為は決して無駄じゃない。人間の営みである以上、語ることまで内包した上での表現と言ってもいいかもしれない。語り合うことは本当に素晴らしい。

そこで話は戻るが「好みの問題だろ」と言われると話が終わってしまう。高名な評論家でもこの観点から切り崩すのは無理だろう。本当に話が終わってしまう。無駄と思うかもしれないが、くだらなくも素晴らしい語り合いをしようではないか!

 

さて、上記の話をまとめると以下のように分類できると思う。

1.「好みの問題」が前提であることを認識せず、語らない人。

2.「好みの問題」が前提であることを認識せず、語る人。

3.「好みの問題」が前提であることを認識した上で、語らない人。

4.「好みの問題」が前提であることを認識した上で、語る人。

 

僕が上記のツイートで問題にしていたのは1だ。ただ今までの僕は2だった。そりゃあ噛み合うわけがない。僕「これはいいもんだよ。もっと色々聴けばわかるよ」 Cさん「えー…」みたいなトンチンカンなことが起こる。こりゃあ悲惨だ。おおいに反省している。ごめんよCさん。

3はいまいちイメージできないが、静観するのもまあスタンスとしてはいいと思う。僕からしたらもったいないとは思うが、各種の表現がある中で音楽に突っ込みすぎてる僕がそう思うだけで、みんなそんなに暇じゃない。

そして僕は4でありたい。くだらなくも楽しい、無意味に思えるけど有意義な、そんな語り合いがしたい。したいのです。

 ついでに言うと絶対的な「良し悪し」ってのは僕はあると思う。というかそう思いたい。そう信じたい。それはプラトンイデアみたいな、あるんだかないんだかわからない朧げなものかもしれないが、僕のような人種は聴くにせよ観るにせよ作るにせよ、それを求めてやっているのだから、あらゆる表現においてそれはあってほしい。「絶対ねーよ」は少し寂しい。

 

■嫌いで終わらすのはちょっともったいない

ここで終わってもいいのだが少し発展させた話。「好き」には個人によっていろんな理由があると思う。とっても深い理由だったり、すごくしょーもない理由だったり。そういう話をするのもきっと楽しいけど、それはまあここではなんでもいい。問題は「嫌い」の方だ。

思うに確たる理由をもって「嫌い」と言っている人はあまりいないのではないか。もちろんよく精通したジャンルで明らかに好みに合わないものというのもあるだろうが、全く通っていないジャンルの場合それは顕著だ。見ず知らずのジャンルを嫌う(嫌うとまでは言わなくても聴かない)のは、多くの場合は「合わないから」、なぜ合わないかといったら「そのジャンルの形式や作法が全くわからないのでどういったとっかかりで聴いていいのかわからないから(これは田中宗一郎氏も似たようなことを言っていた、というかそこからの拝借)」ではないか。いや、それでも悪いとは言わないが、もったいないのではないか。

だから自分の中で「嫌い」でストップしている音楽・ジャンルがあったら見直してほしい。きっと新たな道が拓けるはずだ。僕なんかも未だによくわからないジャンルは多いが、最近はたまたまライブで観てちょーかっこよかったHIPHOP(今までほとんど聴いてこなかった)なんかを聴いている。こんなきっかけでもいい。

ちなみに門外漢のジャンルに入っていくオススメの方法は3つ。

1.ライブに行くこと。

これが一番手っ取り早い。「クラシックのコンサートに行く」でも「生演奏のジャズバーに行ってみる」でもいい。名盤5枚借りてくるでもいいが、クラシックやジャズなんかは今まで何かしらの機会で耳にしているはずだ。それで直感的に選ばなかったのだから名盤聴くよりライブに行けと言いたい。なぜライブがいいか。まず迫力が違い過ぎる。僕なんかは初めてオーケストラを観たとき「今まで認識してたクラシックとは何だったのか」くらいの衝撃を受けたものだ。そして、周りの観衆を見ていれば楽しみ方の作法が自然とわかるというのも大きい。どこで盛り上がってどこでどこで静かに聴きいるのかが手に取るようにわかる。それがわかってくると非常に面白い。だからライブに行こう!

2.同じ音楽が好きな人にオススメを教えてもらうこと。

だから語り合えと言ってるんだ。広がりができるしその友人はよりかけがえのない人になる。いいことしかないじゃないか。それから感想とかをあーでもないこーでもないと言い合ったり、じゃあこれもオススメとか言い合ってるうちに同じ墓場にでも入ってしまえばいいんだ。ただ、やはり趣向はそれぞれ違うため微妙にズレが生じるのと(そのズレはむしろ楽しむ要素とも捉えられるが)、「人が熱心に勧めてくるといまいちちゃんと聴けない」謎アレルギーを発症することがあるのがたまにキズ。あれ何なんだろうね。

3.好きなミュージシャンのルーツを探ること。

アジカンが好きなバンドにアジカンのルーツであるOasisは聴かないのかと聞いたところ、「いやアジカンだけです」みたいに返ってきたという話を聞いたことがあるが、ルーツ探りは意外と浸透していないのかもしれない。これはすごくもったいないぞ。例えばこのブログでほぼ毎回登場するRADIOHEADはロック、パンク、ダブ、レゲエ、ボサノヴァ、ジャズ、クラシック、エレクトロニカ…と多種多様なルーツを消化した音楽をやっている(それがすごいんだがその話はまた今度)。インタビューを見たり、有名なバンドなら解説本やバイオ本なんかを読めば幾つかの音楽がヒットするはずだ。それは「好きな人が好きなもの」という贔屓目もあってとても入りやすいし、その大好きなバンドへの理解もより一層深まる。悪いことなんかないぞ。さあ、やるんだ!

 こんな感じで「嫌い」で見過ごさずに色々と触れていってほしい。絶対に新たな発見があるよ。

 

■終わりに

話が大きくそれたが、各人の「好き嫌い」を尊重しつつあーでもないこーでもないと語り合っていこうという話でした。やっぱり音楽はそれそのものの素晴らしさは当然だが、語り合えるということが素晴らしい。「好きなジャケは?」「かっこいいと思うバンド名は?」なんて話題でも一晩語り明かせる。最高にくだらないけど最高に素晴らしい、そんな音楽の語らい、みんなもどう?

和訳と考察 True Love Waits / Radiohead

新作に入ってたのが最も衝撃的だった"True Love Waits"。今回はそのことをちょろっと。新作の雰囲気に合ってるのはあのかたちだけど、やっぱトムの弾き語りver.もいいよね!

 

youtu.be

 

I'll drown my beliefs
To have your babies
I'll dress like your niece
And wash your swollen feet
僕は信念を曲げてでも
君との子どもがほしい
君の姪のように着飾って
君の腫れあがった足を洗うよ

Just don’t leave
Don’t leave
ああ どこにもいかないで
どこにもいかないで

I’m not living
I’m just killing time
Your tiny hands
Your crazy kitten smile
僕は日々の暮らしを営んでるんじゃなくて
ただただ時間を潰しているだけなんだ
君の小さな手
夢中になった子猫みたいな笑顔

Just don’t leave
Don’t leave
ああ どこにもいかないで
どこにもいかないで

And true love waits
In haunted attics
And true love lives
On lollipops and crisps
本当の愛は
幽霊の出る屋根裏部屋にある
本当の愛は
ぺろぺろキャンディーやポテトチップスの中にある

Just don’t leave
Don’t leave
ああ どこにもいかないで
どこにもいかないで

 

drown:水浸しにする
niece:姪
swollen:ふくれた、腫れあがった
tiny:小さな
kitten:子猫
haunted:何かにつかれた、幽霊の出る
attic:屋根裏、屋根裏部屋
lollipop:ぺろぺろキャンディー
crisp:ポテトチップス

 

2001年のライブアルバム『I Might Be Wrong Live Recordings』より。公式に録音された音源はなく、ライブでたまにアコースティックバージョンが披露される曲(2016年『A Moon Shaped Pool』に収録)。

Radiohead流の『結婚しようよ』なのかな。正直『Kid A』以降の彼らからこんなにもパーソナルで淀みのない歌が飛び出してくるのは驚きなのだけど、何か超越的なことを言ってそうにも聴こえる彼らの人間味が感じられる名曲。

結婚したことのない僕が結婚に言及するのは笑い話なのだけど、僕なりの解釈で。

僕はなかなか神経質で頑固な人間で信条みたいなものもあるのよ。でも君と一緒になって子どもを授かるためならば、その信条を多少なりとも曲げる覚悟はあるんだ(drown、捨てるとまでは言っていないのがポイントかな)。赤ちゃんが怖がらないような格好もしよう(dress like your niece)。君が疲れたら癒そう(swollen foot)。

話は飛ぶのだけど、僕は少し勘違いしていて、結婚するためには何か諦めなければいけないものだと思っていて。ただ、近頃友達と話している中で思うことがあって、「何かを諦めたことを示してしまうと相手に重荷を背負わせてしまうことになる」ってことを思ったところで。だから、この曲も相手に言うのではなく、内なる覚悟みたいなものなんだと思う。そして"swollen foot"なんだけど、この言葉は「水膨れした」みたいな意味もあるのよね。これは言わないまでも自分の信条をdrownした僕と同様に、自分の信条をswollenさせた君もいて、お互い言わないまでもそのことをわかっていて受け入れ支え合おうみたいな感じなのかと思う。

この曲の大切なポイントが"I'm not living〜"のくだり。日々の生活に何かしらのやりがいを感じて、充実して生きているのだけど、君との生活を前にするとそんなことまったく無価値に思えてしまう、そんな微妙な心境の話だと思う。君は無邪気な気持ちを持った素敵な人(crazy-kitten smile)。そんな君と一緒になることが何にも代え難い喜びだって思える。そんな心境。

そして、本当の愛とは。幽霊の出る屋根裏部屋ってなんか実感わかないけど、洋画でよくある子ども達が親に隠れて遊んでたりするあれのことかな?キャンディーとポテトチップスは言わずもがな。小さな子ども達が楽しそうにしている姿を心底愛しいと思える、それが本当の愛なのかなって。

こんなん書くの恥ずかしいわ。

結局のところRadioheadが世界最高のバンドであり続けているのは、何も難しいことばかり言ってるんじゃなくて、こういう多くの人の心にすっと入ってくるメッセージがあるからだと思うのです。よかったらぜひ。

RADIOHEAD@Lollapalooza Berlin のセットリストを見て思ったこと

先日9/11はドイツのベルリンでロラパルーザに出演したRADIOHEAD。このセトリがすごく豪華なので少し引っ張り出して考察。

 

とりあえずそのセトリ。

f:id:dontpanic:20160912093411j:image

(Twitter @Radiohead_infoより)

 

 いやはや、ドイツでは現状1公演のみなので当たり前といえば当たり前だけど、サマソニ大阪東京のいいとこ取りという感じで。"Paranoid Android"もやってる。"Everything In Its Right Place""Idioteque""Bodysnatchers"からの本編最後に"Street Spirit"というのも凄い。ここ大盛り上がりだっただろうな。

 

さて、 サマソニとの比較も含めて今回気になったことは大きく3点。まず、"Airbag"や"Exit Music"をやっていないこと。次に"The National Anthem"をやっていないこと。そして"Creep"が再びセトリに記載されないシークレット曲となっていたこと。

 まずサマソニ大阪東京両会場でやった"Airbag"と大阪公演でやった"Exit Music"なのだけど、これは現状全22公演の『A Moon Shaped Pool』ツアーで"Airbag"5回、"Exit Music"7回と非常にレアなものとなっている。"Creep"や"Let Down"(8回)よりもレア。いやー、後述するけもこれは日本を特別に思ってくれた選曲だと思うし、今更ながら感激。ちなみに"Feral"も5回で今ツアーでは相当にレア。大阪で観ることができた人は本当によかったぞ!!

しかし驚きなのが"The National Anthem"をやらない公演があるということ。今調べてびっくりしたのですが、22公演中10回しかやってない。"Paranoid Android"(15回)の方がよっぽどやっている。"The National Anthem"といったら強烈なステージライティングとコリンのベースを中心としたグルーヴが印象に残る、サマソニのハイライトといってもいい曲。おそらく今までやった10公演全てでそういっていいであろう最強の切り札みたいな曲。それをやらない公演があるなんて。「どんだけ贅沢なバンドなんだRADIOHEAD…」と改めて感服いたしました。しっかし大阪東京両公演で観ることができたのは、実はかなり貴重な体験だったのだなあ。

そして一番気になったことは"Creep"がセトリに記載されない曲に戻っていたこと。

 f:id:dontpanic:20160912120319j:image

(setlist.fmより。@Lollapalooza Berlin)f:id:dontpanic:20160912120332j:image

(@Summer Sonic 東京)

 

サマソニ東京で"Creep"がセトリに記載されたことは話題になっていたけど、これは今後のスタンダードなのかな?と思っていた。でもどうも東京限定だったよう。これは「日本だしクリープでいいやろ!クリープ!」みたいな邪推もできるけど「せっかく東京でやるんだから13年前最高だったクリープをやろう!」みたいな好意的なものだと受け取っておこう。いやー、やっぱ特別に思ってくれているんだなあ。

ちなみに探してる中で気になったのが次の記述。

 f:id:dontpanic:20160912120352j:image(@NOS Alive! ポルトガル)

 "Million Dollar Question"(1stのボーナストラック)って。そんなんやったら興奮通り越して「何やってんだ…」ってなりますわ…

 

それにしてもツアー中固定のセットリストにせず、各国のオーディエンスに合わせたり、よかった悪かったを自己分析しながら試行錯誤を繰り返すRADIOHEADは本当に凄いなと改めて感じるよね。これこそアーティストの姿なのではないか。また会う機会が本当に楽しみになってきた!

 

それはそうとトムが「来年もライブするかも」って言ってたね。よく考えたら前回のサマソニの翌年も単独公演をしていたので、日本に来るのも普通にあり得ることなんじゃないかな!やっぱフェスもいいけど単独公演!これは俄然期待が高まりますね!またその時に会いましょう!

 

さてさてツアーセトリの考察をしてきたけどどうだっただろう。サマソニ前まではザーッと見てただけだったけど、リアルタイムで考察するのも楽しいな。残すは来月のメキシコ公演かな?

今回たくさん引用したけどsetlist.fmでセトリ見たり統計情報調べたりするの凄く楽しいし理解も深まるかと思うので興味のある方は是非やってみるといいかと。

以上setlist.fmステマ記事でした!では!