和訳と考察 Creep / Radiohead
狂乱のサマソニ2016。
When you were here before
Couldn't look you in the eye
You're just like an angel
Your skin makes me cry
君といた頃
目も合わせられなかった
君は天使のよう
その肌には涙が出るよ
You float like a feather
In a beautiful world
And I wish I was special
You're so fuckin' special
美しい世界を羽のように舞う君
僕は特別でありたかった
君は本当に特別な人だ
But I'm a creep, I'm a weirdo.
What the hell am I doing here?
I don't belong here.
でも僕は嫌な奴
周りと違った変な奴
こんなところで何をしているんだ
ここは僕の居場所じゃないのに
I don't care if it hurts
I want to have control
I want a perfect body
I want a perfect soul
傷ついたって構わない
自分をコントロールしたい
完全な身体が欲しい
完全な魂が欲しい
I want you to notice
When I'm not around
You're so fuckin' special
I wish I was special
気づいてほしい 僕がそこにいなくても
君は本当に特別な人だ
僕もそうありたかった
But I'm a creep, I'm a weirdo.
What the hell am I doing here?
I don't belong here.
でも僕は嫌な奴
周りと違った変な奴
こんなところで何をしているんだ
ここは僕の居場所じゃないのに
She's running out again,
She's running out
She's run run run run
彼女は再び僕の元を去っていってしまう
Whatever makes you happy
Whatever you want
You're so fuckin' special
I wish I was special
何が君に幸せをもたらし
君が何を望もうとも
君は本当に特別な人だ
僕もそうありたかった
But I'm a creep, I'm a weirdo,
What the hell am I doing here?
I don't belong here.
I don't belong here.
でも僕は嫌な奴
周りと違った変な奴
こんなところで何をしているんだ
ここは僕の居場所じゃないのに
ここは僕の居場所じゃないのに
はっきり言ってこの曲に自己投影なんかしてる奴はゴミ野郎だ。ただの陰キャラの被害妄想じゃねえか。
目すら合わせられないくせに、歯が浮くような言葉で特別特別とわめきたてたって一生伝わんねえよ。伝える度胸もないんだろうけど。
嫌な奴?そうだろうよ。お前が1番分かってるだろ。お前は不幸を嘆いてそんな自分がかわいそうかわいそうなんてやってる嫌な奴だよ。
ろくに傷ついたこともないくせになりたいなりたいばっかのワナビーちゃん。実際お前は何をしてきたんだよ。相も変わらず「君は特別」。そこいらにしとけよ。
はいはい嫌な奴嫌な奴。それに気づいてるだけマシってか?無理言うなよ。
去ってしまう?当たり前だろ。そもそもろくに接してもいないくせに去るもくそもあるかよ。
はいはい。お前は最低の人間だし、特別な「君」とは一生交わることはない。かわいそうな奴だな。なぐさめてほしい?ん?
まあこんな風にただのクズの歌だ。どうしようもない。
ただ、この曲に世界で1番自己投影しているのは僕だ。書いてて泣けてきたんだよ。そしてあなたもそう思っているだろう。「自分以上にこの曲に思い入れがある人間はいない」って。
この曲が今現在も特別な響きを持っている理由はまさにここにあると思う。誰しもが抱えている弱さ、醜い部分、そんなものはそうそう人に見せられない。普段はひた隠しにしている。たとえ心底信頼できる人がいたとしても完全に曝け出すのは困難だし、ましてや孤独を感じている人間なら尚更だ。
でもこの曲を聴くと否応なくそんな自分と向き合わされてしまう。そこで生まれてくる感情はもしかしたらこの曲で歌われているようなくだらない自己憐憫の上塗りかもしれないが、こんなにもダイレクトに届く言葉は彼らのレパートリーにも他にはない。
あんなにヒットした曲なのに彼ら自身あまり歌わないのは、ヒットしすぎたから〜とか今の音楽性とは〜とかではなく、こんな理由もあるんだろう。演奏している自分に対して「なんだこのクソ野郎は?」なんて思いたくもない。彼らも僕と、僕らと何も変わりはしないのだろう。
話は変わるがNIRVANAの"Smells Like Teen Spirit"やBECKの"Loser"と並んで90年代の(自虐的)名曲と言われているこの曲。"Smells〜"がダウナーで怒りにも似た雰囲気があったり、"Loser"が諦めにも似たやけっぱちな感じがあったりするのに対し、この曲はどこまでもエモーショナル。トムの悲痛なボーカル、美しくも物悲しいメロディ、感情をかき乱すジョニーの轟音ギター(ガガッ!ガガッ!)がこの歌詞と一体になって襲いかかってくる感覚はいまだ唯一無二だ。現在も世界最大級のバンドであるRADIOHEADだが、この曲を歌ったバンドが世界最大級になったのが凄いのか、世界最大級のバンドがこの曲を歌うのが凄いのかはわからないが、そういった点もこの曲の特別性を高めているのだと思う。
自分自身のことが100%好きな人にはこの曲は響かないだろう。でもそんな人間いるだろうか? もしかしたらある日響かなくなるかもしれない。でも、僕らが苦々しく難しい(故に素晴らしい)日々の営みを続けている限り、この曲は僕らのアンセムとして響き続けるだろう。
繰り返し書くが、この曲に自己投影している人はただのゴミ野郎だ。でもそれはそこらにいる普通の人間だ。